竹内

2015年4月19日 日曜日

命の息づきをおもう

清らかで明るい陽の光を受け、たくさんの命が芽吹く「清明」
この時期はあちこちで春の薫りが地面から沸き立ち、草や木、野鳥やカエルなどの小さな生き物たちが長い長い冬眠からようやく目覚めだします


運よく見られたカタクリ


静かに咲いていた一人草



事務所の庭に賑わいをもたらす山ツツジ


新芽が固まってきたモミジ


外はこんなにも賑やかだったのかと嬉しくなる瞬間です

今見えている地上の世界、それを支えている地下の世界...
全ての生き物が目覚める春だからこそ、その存在を五感(いえいえ六感こそ)で感じることができます

毎週土曜日の矢野智徳氏との打ち合わせでは何よりも尊く、何よりも大切な言葉を胸に刻むことができます

緑豊かな自然環境の始まり、不毛な土地に雑草が芽吹き、他の生き物たちの生育環境を作り上げてゆく、奇跡ともいえる始まりについて...
大圏、水圏、気圏この三つで世界を区切ると、大圏、気圏とが重なったA0層(林床における腐葉土になりかけた表層部分の層)が命の基盤であり、生物界においてもっとも重要な部分であること...
造園を超えた命の話です

このA0層は森林、緑地と言っても本来その土地の風土にあった健全な緑ではない現代の環境においては、やはり少なくなってきています

生態系ピラミッドの最も重要な底辺にある小さな土壌生物たち(バクテリア、菌類、微生物、ミミズなど)これらを支えるのも健全な土壌、空気と水分のバランスがとれたA0層があってこそなのです

都市化が進み単一化が広まる都市緑地環境ではこのA0層は形成されにくくなります
便利さばかりに囚われ、自らの生きる基盤を壊している危機的な状況に今私たちは立っている気がします

もともと四季を季節を感じ多種多様な生き物で溢れていた日本
生活の身近なところで絶えず優しい風土、他の生き物の息づきを感じられたからこそ、命の尊さを自然から教わっていたのでしょう

最近起こっている子供たちの悲しい事件も窮屈な環境がもたらした事なのかもしれません
本当に大切なこと、何かに感謝したり、大切に思ったりというのは自然にからでこそ学べるのかもしれない
本当の教育って何だろう、人を育てるのは人の手だけで本当によいのだろうか...

悲しい事件と失われて行く風土、人が生き物が心豊かに調和して生きて行くことができる環境はきっと皆わかっているはず...

立場や便利さ、時代の流れ、加速度のついた新幹線に乗っていては、どれほど破壊的な速度で走っているのかわからなくなってしまう

戦時中、清里にて農業学校を開校したポール・ラッシュの言葉

「たとえ世の中が騒がしくとも、人の心がすさんでいても、自然はいつも変わることなく春夏秋冬その美しさを私たちに与えてくれる。この山々、この木々に囲まれて幸せを感じない人はいないだろう。私たちはその自然にあやかって仕事をさせてもらっているだけだ。自然と人は喧嘩してはならない。自然の前に人は無力で、あさはかな知恵では到底太刀打ちできない。自然と上手に付き合い、調和を保っていくよう人間のほうから働きかける努力を怠らないことを願っている」

どうか水が地を優しく流れるように、加速度がついて地を傷つけないように...

自然に抗うことなく、暴走することもなく自然環境の一員であることを忘れてはいけない
幸せの形は確かにそれぞれ違うかもしれない、けれど何よりも心豊かに安らげる環境が身近にあること、それに感謝できることが大前提ではないかと思います


土気、山小屋の上棟の日、古民家から回収した材がまた役をなそうと命を吹き返しました
大の大人が4人んでやっと運ぶ古材に時代の重み、命を育む重みを感じます


人力での棟上げ
その地の地形を壊さずに建てられる小屋


これからの集いの場となる山小屋
やぐらの状態です
周辺の木々はそのまま、生き物の気配を感じます




鳥のさえずり、カエルの声、咲き誇る花々、新芽を広げる木々

私たちのやろうとしていることは時代と逆行することかもしれないけれど、命があふれるこの瞬間はやはり何よりも豊かだと思うのです

先人が大切に残そうとしてきた風土をおもい、古くて新しい風の流れを感じています















投稿者 竹内