稲村

2019年6月16日 日曜日

息を吹き返す

こんにちは。
高田造園の稲村です。

関東では7日に梅雨入りをし、ブログを書いている時も天気は曇りで、そんな空模様の外を時折眺めながらブログを書いておりました。
外作業が基本的な造園業としては、作業効率が落ちたりと仕事に影響がでてくるため、毎日天気予報に敏感になり頭を悩まさせられる時期です。
しかし、梅雨の時期があるからこそ日本の環境が保たたれており、自分たちの食生活が守られているのであると考えると、梅雨入りは喜ばしい報告なのではないかと思います。また、僕たちは植物があるからこそ仕事ができているわけで、植物にとって「恵みの雨」をもたらしてくれる梅雨には余計に感謝しなければいけないのかもしれませんね(´▽`)

そして、「水」つながりで
今月、期間書籍「自然栽培」の6月号が発売されました。
毎回面白いテーマで定期的に購読させて頂いていたのですが、今回のテーマが「水」と言うことでした。
水が循環するということはどれだけ重要なことなのか、それによってどんな恩恵がもたらされるのかなど、とにかく「水」を考える上でとても勉強になる本でした。
また、今回の「水」に関しての高田親方のお話も含まれているので、ぜひ読んでください。





さて、今回のタイトルは「息を吹き返す」と先輩方を見習って少しだけタイトルをかっこよくしてみたのですが、僕の場合まだタイトルと内容に若干差が出てきてしまうかもしれないので、その点はご了承ください。
先月竣工したT邸のお宅は、雄大な筑波山の麓にあり、お庭には、その筑波石が用いられた昔からある空積みの石積み擁壁が各所にあり、周辺のお宅を見ても同じように石積みの擁壁が見られました。
昔の人は、その土地にあるものを上手く使いながらその土地の造作を行い、それが農業技術の一つとして誰もがやっていたと考えると、本当に驚かされますね。
そして今回はこの元からあったお庭を、環境改善を行いながら改修を行っていくというものでした。



工事の初期段階では、石積みが所々で崩れていたり、階段では水の流れ道ができており、土の表面もむき出しの状態でした。
水路には多量の泥が詰まっており、水の流れも停滞していたため、その泥さらいと、等間隔に縦穴を開け土中の空気と水の循環を図りました。
すると掘った直後に石積みの間からは多量の水が流れ出し、泥さらいを行うだけで流量にはかなりの差が出ました。



石積みの修復には、裏込め石の間に藁と高田造園には欠かせない竹炭を挟み込みました。



石積みの修復が終わるとその上にカシなどの常緑樹とポットで育てたコナラなどの高木になる落葉樹の植栽をしました。
呼吸する石積みの近くに植栽をすることで、菌糸が石積みの方へ根っこを誘導し安定した石積みになるようにします。



5月でも気温は高く休憩中はここが特等席でした。
石積みが呼吸をちゃんとしているとひんやりとした冷たい風が流れています。
まるで自然の冷房機でした。



空積みで積んである石積みについたコケの様子



練積みで積んである石積みについたコケの様子

空積みと練積みではコケの状態にもはっきりとした違いがでます。
空積みの方はコケがみずみずしく元気ですが、練積みの方はコケが乾燥していて元気もありません。
これを見ていると、大地の呼吸がいかに大切であり、植物などに与える影響が大きいかがわかります。



石積みの間から出てきた杉の実生です。
まだ小さく健気ですが、この杉が大きくなり石積みを守っていってくれることを願います(^^)



今回植栽した樹木たちもしっかりと溶け込んでいます。
ちゃんとこの環境の仲間に入れてもらい、元気に生長してくれますように。



階段は石を組み直し、人が良く通る導線にはアプローチがしやすく、踏圧しないように大谷石を敷きました。
また、土がむき出しの部分にはウッドチップをまきしっかりと土を養生します。
空気感が変わり優しい雰囲気になりました。

昔の人はその土地に住むことでその土地の環境が良くなる造作をしっかりと行ってきました。そして今僕たちがそこに少し手を加えてきっかけを作るだけで、すぐにでも環境はよくなろうと動き出し、改善されていくのだなと思いました。
これからもこうした変化を沢山楽しみながら励んでいきます。


投稿者 株式会社高田造園設計事務所

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