石井

2015年8月 8日 土曜日

真夏の庭園めぐり

高田造園スタッフブログをご覧いただいている皆様、ご無沙汰しております。入社しまして早くも五か月が過ぎました、石井です。
あれほど不安定な梅雨の面影はどこへやら、夕立すら来ない摂氏三十度代後半が毎日のように続いているようです。毎年々々、天気予報で「例年以上の・・」という言葉が聞かれるのは気のせいでしょうか(温度然り、スギ花粉然り・・?)

さて、前回のブログでは、私が休日に拝見しました親方のお庭を紹介させていただきました。そこで今回も、その後訪れた庭園の紹介をさせていただこうと思います。仕事の合間を縫って造園空間を拝見することや、その拝見した造園空間を回想しながら関連文献なども参考、確認して文字におこすことは、書いている私自身も大変勉強になりますので、私のブログでは造園空間の紹介が主となるかもしれません。
その情報が、ご覧いただいている皆様のお役にも立てれば幸いです。

それではまず、東京都は世田谷、二子玉川公園内にあります「帰真園」です。



開園は2013年、面積は約1760坪。入場料は無料。作庭は、近代造園史に名を残す中島健の元で修業をされ代表作「田園調布四季の庭」では造園学会賞を受賞されました高崎設計室有限会社代表の高崎康隆氏。設計業務には、世界規模でランドスケープを創出している株式会社戸田芳樹風景計画、監修は紫綬褒章も受賞されています造園界のオピニオンリーダ、進士五十八氏が務められています。
庭園名には、リターントゥネイチャー、自然に感謝し、自然に帰る。そのような精神が込められています。

この庭園の特徴を端的に表すと、「ユニバーサルデザインと多摩川の縮景を主題とした、現代の公共的日本庭園」といったところでしょうか。

多摩川や国分寺崖線沿いに豊かな自然、文化遺産を有しつつも商業施設などの開発が盛んな二子玉川において、本庭園は環境、教育、福祉に強く貢献することを念頭に置かれ作庭計画が進められました。そのため飛び石や石段等、ユニバーサルデザインの基準には程遠い回遊路のイメージが強い「日本庭園」というデザインの要素ですが、本庭園では車椅子の方でも回遊できるよう緩やかかつ平坦な回遊路を主動線として設けています。それを現代の生活様式における「日本庭園」の特徴とするねらいがあるようです。前回紹介させていただいたホスピスの庭とも通ずる部分があります。


車いすの方でも利用できる茶室、万人席


車いすの方でも利用できる高さの蹲踞。前回の投稿と通じる部分があります


多摩の源流をイメージした滝口。右奥の通路は車いすの方用の視点場


土塁と平坦でのびやかな園路


園内に移築された文化財、旧清水邸書院

しかし気になったのは、樹木の威勢がとても弱弱しいということです。枝枯れを繰り返し棒状に近い姿の雑木が多く見受けられました。恐らく白色系の園路舗装による強烈な照り返しが引き起こす幹の乾燥が原因かと思われます。常緑性の低木などを植栽すれば中高木も楽になるとは思うのですが・・。過酷な都市環境に樹木を植えるときには、様々な事に気をつけねばなりません・・。



次は、静岡出張の際に訪れることのできた、龍潭寺と摩訶耶寺です。

龍潭寺は、臨済宗妙心寺派で733年に行基が開創、もとは八幡山地蔵寺と称されていたようです。井伊家初代の時、その菩提寺となっています。また昭和11年に国の名勝に指定されており、庭園は江戸時代前期の作庭とされています。小堀遠州が作庭に関与したのではと推測される多くのうちの一つですが、本堂建立の30年前に遠州が没していること、庭園の手法が遠州没後の時代を強く反映した手法であること(観賞式でありながら回遊施設の点在、芝生築山の連山、細長い流れと建造物間の狭さ、実際の水面と枯滝の併用等)から、その説の信頼性には賛否あるようです。

三尊石や枯滝、鶴亀の石組やサツキの刈込など、当時形定化された寺院庭園の様式を忠実に伝承する本庭園はとても貴重であるといえます。


全景。しっかりとそれぞれの役石が明確に残っています。


あまり注目されることない石庭。



摩訶耶寺は、高野山真言宗ですがこちらも行基が開創とされています。(726年)奈良時代から今日まで数々の兵火、天災から守られており、厄除けの寺としても高名です。文化財に指定された不動明王像、千手観音像、阿弥陀如来像などを有しています。寺の名の由来は梵語のマカヤーナの音写で、優れた教えを意味しています。

庭園が発見されたのは昭和32年と新しく、竹林清掃中に発見されました。そして後昭和42年に日本庭園研究会と京都林泉教会の合同調査によって発掘復元されたものです。作庭年代を証明する文献的証拠は発見されていませんが、石組や地割の構成から、京都林泉教会の重森三玲は平安末期、日本庭園研究会の古河功は鎌倉初期と推定したようです。しかし近年では江戸時代の作庭ではという説も。しかしながら平安末期あるいは鎌倉初期付近の庭園であれば、その時代の庭園は京都や奈良、奥州平泉以外の地域にはほとんど存在しませんので、かなり貴重な庭園遺構であるといえます。私は大学生時代、庭園遺構の池底や護岸の構造について卒論を書いていたのですが、本庭園の報告書に記されていた池底に粘土と砂を(交互に?)敷設するという工法は平安時代に数件見られた工法でもありますので、その部分だけみると重森の推察と重なるところがあります。
当時の植栽を推定、復元することが難しいため、石組と地割が強く印象に残るところは、発掘庭園特有の特徴といえそうです。


石組全景


門のどっしりとした佇まい



しかしながら、今夏は本当に暑いですね。ここ数年、人々が心の底で「異常気象」という四文字を意識せざるを得ない、そんな時代なのではないでしょうか。手入れや作庭にて雑木の作ってくれる涼しげな木陰を見るたび、やはりこのような現代において人と自然の生活環境を救えるのは、造園という職能をおいて他にはない、そのような気持ちで仕事に臨んでおります。

これからお盆休みをいただきますが、折角の連休、家庭の用事のみならず造園的に有意義な連休にしたいと思います。

工事などお待ちいただいているお客様、ありがとうございます。このような機会で養った経験をお客様のお庭にも還元できるよう精進いたしますので、しばしのお時間お待ちくださいませ・・
またこの時期お一人でお仕事されている(特に外仕事である同業者の)方々、くれぐれも熱中症にはお気を付けください。現場にてお一人で倒れてしまったら、気づいてくれる方もいませんので・・。室内でも熱中症にかかる方は多いと聞きます。

しかしこの猛暑だからこそ、木々が作る木陰のありがたさが身に染みてわかる時期でもありますね。ですがこの雨の降らない今夏、その樹木たちも水がほしいといっていることも多いと思います。庭木や鉢物がそのように語りかけてきたら、頑張っている樹木に一服させてあげてください。

次回は連休中に体験、拝見した事柄を書かせていただきたいと思っています。
重ね重ねになりますが、くれぐれも体調にお気をつけてお過ごしください。

投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | 記事URL

2015年7月 3日 金曜日

梅雨の合間に

高田造園スタッフブログをご覧いただいている皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
今週はまさに梅雨!と言わんばかりの天気ですね。今週初めに週間天気予報をチェックした関東の方、特に外仕事を生業とする方はあまりの雨マークの多さに驚かれたのではないでしょうか。。
高田造園はそんな天気と戯れております。ご無沙汰しております石井です。

前回の更新から随分日にちが空いてしまいました。
新芽が固まり始めたこの時期、高田造園は手入れに造園工事にと各地を行脚しております。
その際の様子や竣工、進行中の庭については高田親方のブログ等を参照していただければと思いますので、今回は、僕が先日の休みの日に拝見したお庭の事を更新させて頂きたいと思います。


田畑や豊かな緑に囲まれた千葉県若葉区の高根町。そこに、一つの整形外科があります。

この病院を創業した理事長の方は、「体の不自由な患者の方が広い庭を自由に散歩しながら、花を楽しみ、緑の風に吹かれて心安らげる、そんな病院を作りたい」と当初から考えられていたそうです。そして、庭の一角に四阿のある日本的な庭園を作りたい、と高田親方に依頼されました。親方は、体が不自由な患者の方でも楽しめるよう、車椅子でも回遊しお茶を楽しむことのできる配慮がなされた庭園と四阿を作りました。完成は、現在から約10年ほど前だそうです。



庭園の入り口、全景です。柔らかい樹形の雑木たちに癒されます。車椅子でも園路を不自由なく回遊できるように配された、目地の狭い石畳が美しいです。。




四阿全景。設計管理は伊藤平左衛門建築事務所の中山さん、施工は高田造園ブログでもおなじみ川上棟梁です。



四阿に接続する、もう一つの園路。車椅子の方に配慮した目地や勾配が、とても優しげです。
三和土にもとてもいい苔がのっています。






四阿の内部。炉と水屋が配してあり、車いすの方でもお茶会が楽しみやすく配慮がされた設計がなされています。



車椅子の方でも利用できる高さの蹲踞。力強い石組と役石に囲まれた手水鉢は二重升型で、桂離宮の外腰掛のものを彷彿とさせます。




四阿に接続するメインの園路。とても丁寧な、配慮の伝わる優しげな石畳です。




数石配された石臼がリズミカルな足元の景色。




奥へと向かう園路。足元を気遣って照らすような灯篭も、また穏やかな表情で据わっています。




園路途中の敷石と三和土。




空積で行われたという石積と板塀。シンプルながらも、塀の笠と大ぶりの石積がなんとも言えない安堵感を与えてくれるようです。。






蹲踞周りと同様力強い石組と、地表の苔と実生のモミジたち。ほんの少しの雑草たちと落ち葉も調和して、グラウンドカバーのように地表を覆う見事なモミジと、穏やかな地表を形成しています。実生木を大切にしている掃除が、このような素晴らしい地表を育成するのだと感激しました。石組は、体の不自由な方に精気を奮い立たせるような、生命力に満ち溢れた気勢をもって据えられている様に感じます。




このお庭を私が知ったのは、高校三年生の春頃でした。当時私は造園系の高校に通っており、その卒業制作として、実際に施工し文化祭にて展示、開放する庭園の図面のアイディアを考えていました。その頃祖父が車椅子生活を余儀なくされていたことから、私は祖父にも見に来ていただける、車椅子に配慮された優しい日本庭園を、とコンセプトを絞り資料を図書室で収集していたところ、「木もれ日を楽しむ 雑木の庭」(主婦の友社、2008年出版)という本の特集に掲載されていたこのお庭を知るに至ったのです。同時に、私が現在勤務している、高田造園設計事務所という会社、親方を知ったのもここからでした。

現在もですが、当時私は現在より庭の「に」の字も雑木の「ぞ」の字も知りませんでした。その上、車椅子に配慮した日本庭園を、と考えていた私にとって、このお庭はあまりに衝撃的だったのを覚えています。すぐさま書籍を購入し、2ページの特集に掲載された6枚の写真と文章を食い入るように見ながら製図を行っていました。(結果勿論、このようなお庭を作図、施工できたわけではありませんでしたが。。)
そして高校、大学を卒業し、現在はその書籍で見た会社に勤務しています。こうして改めて振り返りながら言葉にしてみると、何か、不思議な感覚です。

仕事の合間に、自分の原点ともいえるようなお庭を拝見できたことは、とても嬉しく、感慨深い気持ちになりました。
入社してからあっという間に三か月が過ぎてしまいましたが、初心を忘れず、かといって未だ見習だと甘えず、日々、精進していきたいと思います。

天候の変化が大きいこの季節ですが、露に濡れたお庭を眺める事ができると考えればいい季節でもあります。
皆さまも体調にお気をつけてお過ごしください。

投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | 記事URL

2015年5月10日 日曜日

Garden Week

少し前までの夜の寒さが嘘のような、暖かいを通り越して暑いと感じられるような今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。高田造園設計事務所に入社して一か月が過ぎました、石井です。ご無沙汰しております。

前回の投稿からも一か月余り、あっという間の30日でした。日々、本当に、いい経験をさせて頂いています。
その現場経験を投稿するのも一つかと思いましたが、最近竣工しましたお客様のお庭や、弊社が行っておりますダーチャプロジェクトなどの詳細は高田親方が更新しています「雑木の庭づくり日記」にて紹介されていますので、今回は恥ずかしながらゴールデンウィークの連休中に自身が経験したことについて触れさせていただこうかと思います。

造園という分野に身を置いていると、どなたでも植物への関心は高まるものです。しかし、高田造園に入社し、親方や先輩社員の方を見ていると、自分がいかに植物の事を理解できていないか、即ち植物への愛が十分でないかということを日々痛感します。また親方や先輩の知識、知恵の深さ、広さにはそれぞれの方が乗り越えられてきた場数の凄味を感じさせられています。

折角の連休、自分の糧になる場所に行こうと思い、知人と高尾山、燈々庵に行ってきました。

ご存知の方も多いと思いますが少しばかりご紹介をさせていただきます。(燈々庵はまた下記にて)

高尾山は、東京都八王子市にある標高699mの山で、東日本西日本の植物が混在しているといわれるほど豊かな植生を有しています。その数およそ1300種。都市部付近に存在する割にはその植生が保たれており(その保護政策は遡れば中世からのようです)、登山道や交通機関も整備され気軽に訪れることができることから、一年を通して多くの人が訪れます。
自然を感じるという割にはメジャーで観光地化されている山を選択してしまいましたが、その植生の豊富さは上記の通りの上、この分野に身を置くものとして恥ずかしくも登山経験がほとんど無いことからきっかけとして高尾山にすることに。。
また、特にこの時期の高尾山は木々の新緑が美しく、世間の連休とも重なるため、大変な混雑が起こる様です。駅は通勤ラッシュのようにごった返し、高尾山の飲食店やロープウェイに二時間待ちの案内が出るなど、その様子は某テーマパークのよう。それでは豊富な植生を満喫できないと感じ、混雑が少ないといわれている早朝に高尾山を目指します。

早朝でも多くの人が高尾山口駅で下車していましたが、山道となると人もまばらに。
高尾山には1号路から6号路まである登山道の他隣接する山に登山することのできる道もありますが、今回は、ゴールデンウィーク中は下りが禁止される、沢沿いの6号路にて山頂を目指します。

沢の様子。(以後携帯での写真ですので綺麗に撮れていないものもあるかもしれません)


群生しているシャガ。


シャガ特有のお花。


蹲踞を思わせる水堀石


そして、高尾山頂です!


天気にも恵まれ、素晴らしい景色を望むことができました。
機材の調子かアップできない写真が多々ありましたが、他にもキンランや開きかけのフタリシズカ、ナルコユリやチゴユリ、ヤブレガサやホウチャクソウ等の山野草の他、キビタキなどの野鳥、雑木と呼ばれている木々の自生している姿が見ることができました。杉の大木の根っこがむき出しになって園路を形成している場所や、大木のモミジなど、見どころ満載でとってもよかったです!(分からない生物を教えてくれた友人に感謝です)
ブログをご覧の皆様にも、6号路はおすすめです!

この時点で朝八時。山頂にはもう既に沢山の人がいましたが混雑という程ではありません。
さわやかな天候とたくさんの自然に囲まれて有頂天だった私は、休日だからと言い訳して山頂の飲食店で知人と早速一杯お酒を嗜んでしまったのでした。。雑木林を目の前にして飲む早朝のビールは最高でした。。

そして一番整備された一号路を下って下山、一時間ほど電車を乗り継いで昼食をはさみ、念願の空間である燈々庵へ。

燈々庵は、東京都あきる野市にある懐石料理を提供するお店で、陶芸のギャラリーと喫茶室も併設しています。
江戸後期から続く豪農森田家の敷地内にある米蔵を再生し造られた店内には調度の良いインテリアとギャラリーが展開され、来客を非日常の世界へと案内します。経営者は黒茶屋代表取締役の高水謙二氏。古民家再生を切り口にした店舗づくりやプロデュースは圧巻です。会社名である黒茶屋は、高水氏が手掛けた一つ目の店舗で同あきる野市にあり、姉妹店にあたります。作庭は茶庭師としても名高い金綱造園事務所、金綱重治氏。高田親方の、親方にあたります。もう一つの姉妹店である井中居(東京都青梅市)の作庭も、金綱氏が行っており、雑誌「庭」でも特集されています(199号)。また高水氏も経営者として、214号に特集されています。本当に、どの店舗も素晴らしい空間がつくられています。

過去に高田造園のブログでも紹介されましたが、その時私はまだ入社していませんでした。入社してから改めてその空間づくりの巧みさを親方や先輩方から聞くにつれどうしても拝見したくなり、念願叶って訪れることができました。
生憎お昼の懐石は満席で、喫茶室も休みと、その素晴らしさを舌で楽しむことは叶いませんでしたが、お庭はたっぷりと拝見することができました。

ケヤキやモミジに囲まれた門。大通り沿いとは思えない景観がすでに展開されています。


何とも味わい深い看板。


アプローチのお庭を歩いて、門への見返りの景。雑木と下草、精緻な石畳がもたらす空気は圧巻の一言です。


アプローチを進んだ後に出現する庭門。


石積と穂垣。角のとれた石と上部の穂が開いた垣根に引っかかっている落ち葉が風情を演出しています。


ギャラリー入り口前。その名の通り燈々庵は「燈り」が一つのテーマとなっているそうで、昼間でも薄暗く感じる庭園構成が行われているようです。この時間でしか見れない日の光と燈の光の対比がまた心地よいです。


蹲踞と滝口。私ごときが解説など到底できない金綱大親方の作庭観が、随所に込められているようです。。


アプローチとはまた異なる雰囲気の、一階の食事席に面する庭。優美な洗い出しの園路の曲線と芝生、枕木が、落ち着いた足元の景色をつくっています。


陶器を用いている蹲踞。


建物を見返る。建物の美しさ、効果的な視点場、光と影の緩急に息をのみます。


さらに奥の流れ。大木沿いに流れる小ぶりので丸みのある石を用いた景色は、高田親方をして「金綱親方の最高傑作のひとつではないだろうか」とのことです。。「間」というものを考えさせられます。。


こちらは上記流れに接続する竹林沿いの流れ。こちらは護岸にあまり石を用いず草本類でまとめているからか、また違った趣です。竹とシダの作る景色は、客席から見てみたかったと思うほど効果的に足元を引き締めているように思います。


こちらもアップできない写真が多くあり、また食事中のお客様が映らないように配慮してのアングルとなったため、写真の未熟さをご了承ください。

大変に素晴らしい空間でした。。その一言に尽きます。
次回こそは、お料理を頂きたく思います。

その後は、他の友人も招集してお酒と共に造園談議をして過ごしました。
その時に毎回話題に上るのは、「自然と人」、「境界線」という言葉です。
どこまでが人間の行為なのか、人間のこの進歩も自然の営みとしてとらえるべきなのか、庭における作為と無作為とは、どこまでが家でどこまでがニワなのか、どこまでが自然に優しい時代だったのか、機械を用いるということはどういうことか、持続可能(sustainable)とはどこまでのサイクルで考えればよいのか、地産地消の地はどこまでを指すことができるのか(地域?地球?鮮度を落とさず冷凍保存された世界中の食材を用いる時代です)などなど、自然を用いる造園という分野を、昔より自然と切り離されている様に感じる現代にどのように活かすか考えるには避けて通れないと思います。

今回赴いた高尾山でも、最近建設された圏央道が問題になっているようですね。この工事によって高尾山の生物種が数百減ったとも言われているそうです。
しかし私はこの道路を、相模原の現場に赴く際に利用しました。無機質と言いながら、これによって生物種が激減したともいわれながら、その道路を仕事において利用しているわけです。

造園に用いる道具も、ブロワやトリマ、刈り払い等機械化、大量生産化が進んでいますね。電動の剪定鋏なんていうものもあるらしいです。一般的な剪定鋏や鋸などであっても、それは機械で大量生産されたもののほうが多いのではないでしょうか。
造園会社によって、出来るだけブロワは使わない、アルミの脚立は使わないなどの色があるように思います。私もできれば有機的な材料を用いた手作りの道具で心を込めた仕事をすることが最高と考えます。どのような庭師の方にお聞きしても、刈り払いとブロワだけで掃除することにはNoというと思います。しかし熊手や箒は外国の機械と材料で心無く大量生産した道具かもしれないわけです(もちろん心をこめて大量生産を行っている会社もあると思います)。今、プラスチックの「てみ」を使っていない造園会社はどれだけあるでしょうか。

時代性を捉えるのもいい庭師として身に着けたい能力であることは間違いありませんが、本質というものを理解し、曲げてはいけない部分を貫き通すのも、重要なことであると考えております。
ただでさえ未熟な私には、それを理解するには到底至りませんが。。一生を通じて追及すべきことであると思います。



とはいえ、念願の高尾山と燈々庵に訪れることができ、本当に充実したGW=Garden Weekを過ごすことができました!
連休に経験したことが単にリフレッシュや観光として消化されるのではなく、今後の仕事への糧として昇華できるよう、入社時の気持ちを忘れず、日々精進したいと思います。

投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | 記事URL

2015年4月 2日 木曜日

お初にお目にかかります

高田造園設計事務所ブログをご覧頂いている皆様、ありがとうございます。
お初にお目にかかります、この4月から入社しました、石井と申します。よろしくお願いいたします。

新卒にて入社し本日二日目の勤務のため、社員としてはもとより、造園の「ぞ」の字も理解しているとは言い難いところですが、本日行った作業を紹介させていただきたいと思います。この先も間違った知見、用語なども使用してしまうかもしれませんが、精一杯努力していきますので、ご容赦いただけたらと思います。


本日は、千葉大学西千葉キャンパスにて、平成24年度の3月に行った記念樹林のメンテナンスに伺いました。

この記念樹林は、大学の駐車場のアスファルトに囲まれた場所に植栽されています。その際の土木的な工事の影響か、この植栽升に少しスコップを入れてみると、一帯に硬化した砕石層が出現します。この層により土中の通気性、浸透性が大きく損なわれ、そのままの状態で植栽を行っても木々は健やかに生長することができません。記念樹林を植栽した際もこの層を多く取り除く作業を行いましたが、やはり木々の生長は良好な土壌に比較して芳しくはないようです。

それでも木々は精一杯生きていました。本格的に訪れ始めた春を待ち望んでいたかのように、懸命に芽を吹かせています。

その木々たちを少しでも助けてあげたいと思いながら、更なる通気浸透改善を促す作業を行いました。植栽時取り除くことのできなかった数か所の砕石層を再度貫通させるように、縦穴を掘ります。その縦穴に竹を差し込み、周囲に乾燥枝などの有機物と改良した土を入れることで、土中の空気と水の流れが担保され、植栽した木々の根鉢周辺の土壌の通気と浸透を改善することが出来ます。






硬化した砕石層を貫通する作業は、特に最近まで学生として机上で造園を考えていた私にとっては重労働でしたが、作業後の木々が、少し元気に、嬉しそうにしている様に見えてしまうのは、気のせいではないと思いたいところです。




この写真含め作業中の写真はこの記念樹林の状態を見守ってくれている方が撮影してくれました。自分の写真を自分でブログに掲載するというのはなんだかとんでもなく恥ずかしいのですが、これをもって自己紹介の初稿とさせていただきます。


お世話になっているお客様方、誠にありがとうございます。これからお手入れや作庭の際お目にかかることと思いますが、お客様の住環境をより良いものとしていくため、日々努力していきたいと思います。

よろしくお願いいたします。

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