椎名

2015年11月 8日 日曜日

新潟出張




ブログをお楽しみの皆様お久しぶりです。
11月に入り千葉では柑橘類等の果樹が色づき始め、秋の終わりを感じ始める頃私達は新潟へ行ってきました。
新潟へ向かう道中紅葉の美しさや今降っていた雨が山を抜けると晴れ間が見えるといったような不思議な現象に普段生活している千葉とは空気感が全く違うのを肌で感じました。

今回訪れる現場は砂丘のマツ林の再生という事で、マツ林の一部を実験区域として先行で行い、その後の経過を他のマツ林との比較によって観察して行くというものです。




対象地のマツ林の中にはすでに枯れているマツもあったり他の耐潮性のあるエノキやニセアカシア等の樹種の潜入で負け始めているマツも多く、そこで優先し始めている樹木も刺が出る等、林の中に生活している樹木たちが苦しんでいる様でした。






場所が砂丘という事で何処まで掘っても有機物の無い完全な砂地で、近くを流れる阿賀野川河口域では砂が堆積して河口閉塞が進んでいるそうで、今もなお砂丘化が進んでいるという自然の力の強大さを肌身で感じました。




今も砂丘化が進む阿賀野川河口域では、今の現場がどういう風にできた土地なのかというのを肌身で感じる事の出来る場所で、阿賀野川河口域にできたひょうたん池と呼ばれる所も元々河川と繋がっていた所で砂丘化によってラグーンとなった場所なのですが海に近いこの場所に溜まっている水が淡水というのが驚いたのですが現場近くの砂丘の湿地帯でも田んぼが存在しているのをみるとこうしてできた湿地帯をうまく利用してきたのだと感じました。



海に程近いこの場所が何故淡水なのか、大河川の河口でありながら何故砂が積もるのかと疑問に思う方も多いと思いますが、そのカギを握っていたのが対馬海流でした。
河口を積もらせるほど一方的に強い海流なのかというとそうではありません、もちろん河川の影響も受けているそうで本来西から東へ流れるこの海流がこの河口付近で逆流する現象が見られ砂丘化や海水と淡水が混ざりずらいという不思議な現象が見られていて、時代を遡り江戸時代までは現在の阿賀野川河口域は塞がっていて物見山を迂回して信濃川に注ぐというこの地が元々本来の地形に戻そうとしているかの様な自然の力強さを感じました。





















さて我々が再生するマツ林はどのようにできた場所なのかもう少し砂丘を歩いてみたいと思います。
砂丘の地形を見てみると不思議な事に普段行っている水脈工事のように植栽地にはマウンドができ自然の谷と尾根が出来ていました。
植物を観察してみるとイネ科の植物が多く、飛散しやすい砂を捕まえて埋まっているようでした。これを繰り返す過程で有機物のあるマウンドになって行くのですがイネ科の植物の様に枯れたとしても稲の茎が空洞な為地上部に残る事で自然に砂の中の通気が確保されているという普段の水脈改善工事が行われているようでした。

今回のマツ林再生の工事もこの自然に習った水脈改善工事を行うのですが、マツ林に横溝による水脈改善と縦穴による水脈改善を施すと共にマツ林に空いたギャップに苗木の補色を行いました。
































施工前のマツ林の写真が無いのが残念でしたが施工後地形の起伏を作り風が吹き抜けるようになったのを感じ、林内に埋まっていた園路が再び顔を出すと施工後には林内の歩道を思わず歩きたくなるような空気感の変化を感じました。

今後水脈改善を行った事によってこの空間を始め周りへの効果も楽しみです。







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2015年9月 9日 水曜日

合間時間

ブログをお楽しみの皆様お久しぶりです。
夏の暑さも収まり台風の季節がやってきしました。

夏の日照りが続いたお盆前には雨が降らず乾燥していた大地にも潤いが戻ってきました。

秋を前にドングリが膨らみ早くもキンモクセイの香が漂って来る所もあり、日々季節の小さな変化を楽しみながら仕事をさせて貰っています。


さて一方でこの季節僕たちにとってはなかなか予定の立てずらい季節でもあり、現場に出られない事もしばしば、晴れてたかと思うと突然の夕立に見舞われる等雨支度に追われる事もあります。

そんな天気の読めない時の現場はというと、そうです僕が入社して初めて行った現場でもある土気山です。

よくイベント等が有ると話す事があるのですが僕が入社した当初は背丈を超える程の一面のササ藪で見通しのきかない斜面地にあるササをコツコツ狩る所から始めました。

入社当初から携わっている所なので非常に思い入れのある所でもあります。

今では植物の季節の変化だけでは無く蝶々やトンボ等の昆虫類を目にする機会も増えた様な気がします。

さてそんな自然豊かな森になってきた土気山ですが何やらまた新たな動きが有ります。



ここは先に建てられた2棟とは反対側の位置にあり、しばらくポット置き場として手つかずだったヒノキ林の中です。

今回の小屋は松杭基礎を打ち込んでいて他の2棟とはまた違った魅力になりそうです。

今後またどんな建物になるのか楽しみです。

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2015年8月12日 水曜日

涼を求めて

 ブログをお楽しみの皆様こんにちは。
夏の暑さもピークを過ぎたと思いたい今日この頃、皆様は夏をいかがおすごしでしょうか。

海に山に川、涼しさを求め、自然に足を運ばれる方も多いのではないでしょうか。

私も涼しさを求め出かけにいった中の一人なのですが、今回の連休では勉強も兼ねて日光の方まで足を運んできました。

 訪れた場所は東照宮、二荒山神社、輪王寺、古峰神社等を御朱印帳を持って巡るという観光ではありましたが、今年に入って400年という歴史を刻む東照宮を支える周りの環境はどんなものなのか、また先人の知恵が活用されているのかという個人的な興味を持って日光の街を散策してきました。


ここは東照宮の表参道を並行する裏路地です。
山を切り開いた際の園路造成の土留めとして石積みが多く残されていて昔ながらのセメントを使わない工法である空積みによって積まれている為、石と石の間には隙間が有ります。
通気性や通水性が良い為、自然と石の隙間からは植物や苔等が乗り人の生活空間の中でうまく植物が溶け込んでいるようでした。


中でも面白かったのが空積みの中に実生が落ちたのか年数が経ち今やカラ積みの土留めを根っこで支える様子です。
無機質な石積みを有機的な空間に変えるだけで無く、その環境が周りの空気を冷やしていた。

このような通気と通水性を遮断しない通路が多い事や長い時間いじられていなかった為か表参道へ至る通路沿いに生えている杉やヒノキ等は皆、御神木と呼べるようなサイズの木々達でした。


所々見られる木々の間のギャップには浸食が始まっていて


フサザクラやケヤキ等の実生が所狭しと競い合い、コンクリートを徐々に割って行く様子が見られました。



元々街中でも水が涌く環境の為なのか水脈が浅い為なのか、至る所に浸食が見られ足元から涼しくなる様な空気はなんとも心地よいものでした。


昔夏の夕方に温められた地面を湿らせ周りの空気を冷やす目的で行われていた打ち水の効果でしょうか、
湧き出た水は冷たく周りの水路の外も潤し周辺の環境も冷やしていました。



山を下り流れ出た絞り水は黒川へと流れます、中禅寺湖周辺から絞り出た水脈が集まり川となり、肉眼では川底の砂利まで確認できるような透明度の高さで、真夏のこの時期でありながら触れれば1分も浸かっていられないような冷たさにこの日光の土地の自然の豊かさに改めて感動しました。

日光の街中を潤すこの流れは街中の至る所で水が湧き出て生活に利用されていました。
道中湧き出た水を飲む人も多く東照宮に向かうにつれて冷たくなる水を私も見つける度に利用していました。



また、世界遺産である日光では外国人観光客が多く水がただで飲める事に皆驚くそうです。その為か所々で外国人が集まり、水を飲み比べているようでした。
資源を大切に守ってきたからこそ利用できる資源、水という当たり前の資源を守ることの大切さを今後も続けていかなければと思いました。














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2015年6月27日 土曜日

森の生活

ブログをお楽しみの皆様お久しぶりです。
気分も曇りがちな梅雨の季節ですが皆様いかがお過ごしでしょうか?

僕も天気に影響を受けている中の一人ですが、


テントに


バーベキューと夏を感じさせる体験をしています。

ここは相模原のとあるバーベキュー場で、出張先の宿泊場所として利用しています。

森の中での生活はこの季節まだ肌寒く薪を燃料とした生活に里山の生活を体験しています。

火を囲み食事をする自然の中で暮らす非日常は雑木の庭づくりをする者にとって様々な感動を体感する事が出来ました。

さて、この生活も残すところあとわずかとなりました。

現在工事している工事もあとわずか、

植栽や外回りの構造物は完成し、残すところ植栽周りの腐植マルチや芝のグランドカバーだけとなってきました。



腐植の落ち葉は自社生産の再生土の完熟していない物を使用します。

腐植の中には成長したカブトムシが成虫になっている様子ににまた季節の変わり目を早くも感じました。



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2015年5月 8日 金曜日

ゴールデンウィーク

 ブログを御覧の皆様お久しぶりです。
連休中はいかがお過ごしでしたでしょうか?

待ちに待った連休中は個人的にも興味のあった笠間の陶器市や埼玉県の盆栽村等に足を運び連休を楽しんできました。

特に盆栽村は、前々から興味があった場所で、実生苗を利用した盆栽等を個人的に創る程まで興味がある分野でもありました。

盆栽というと高田造園のホームページをご覧いただいている方の中には堅いイメージがある方も多いと思いますが、それはマツやマキ等の盆栽をイメージする方が多いのではないでしょうか?

盆栽の種類の中には大自然を一つの鉢に縮小させて創るもので、栽景盆栽というものがあります。
この盆栽の特徴は四季の変化を楽しめる雑木や下草等を組み合わせ山の中の一部や景色を切り取り一つの鉢に表現する盆栽で、様々なスケールの自然を手のひらサイズで楽しむ事が出来ます。



庭づくりに共通する部分も多く植栽の木の向きや植物を植えたり管理して行く上で勉強になると思い始めたのがきっかけですが、今やオリジナルの栽景盆栽を創るのはもちろん本場盆栽村まで足を運ぶ程になりました。

下記の物は自作したものです。
春の芽ぶきや秋の紅葉、冬には枯れ木となりますが四季折々の変化を手のひらサイズで楽しんでおります。
まだまだ未完成ですが今後の成長が楽しみです。
また機会があれば今後の成長も紹介したいと思います。











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