竹内

2015年2月 8日 日曜日

人と緑の共生を考える   国立市さくら通り

自分たちの生まれた故郷、暮らしの風景、仕事の場、子供を育てる環境...
何を守り、何を残したいのか、未来に繋げたいものって何だろう

ただ自分だけの生活をしていれば、なかなか気に留めることがないことかもしれない

本当に大切な物を忘れてしまいそうな今だからこそ、さくら通りの街路樹たちは人と緑とが真剣に向き合い、未来の街の姿を本気で考える機会を与えてくれたようです




植栽されてからおよそ50年にもなるソメイヨシノは当時のか細い姿から、どっしりと風格を持ち空を覆うほどの見事な枝葉を広げる程になりました。
50年近くの間、人に寄り添い、町を育て、そこに住む人に限らず国立を訪れたたくさんの人々の心に深くその姿は刻まれていたことと思います。
私も学生時代、途中下車した国立の駅
夏の暑い日でしたが、青々と茂る桜たち、通り抜ける風が心地よくて、どこまでも続く木陰の中ウキウキしながら歩きました。きっとたくさんの方の記憶に国立の桜は存在していることでしょう


今回道路改修工事にあたり倒木の危険性のあるソメイヨシノ、イチョウの木は伐採されることになりましたが、
たくさんの市民の活動により市民、行政、樹木の専門家との間で意見交換会が開かれました




樹木の空洞化、ベッコウタケの発生などによりC判定、今後道路改修にあたり倒木の危険性が高いため樹木医は安全性を考えると伐採し若い木に植え替えたほうが良いといいます。
しかし、倒木にいたる原因は植栽地周辺の土の締固めによる土壌の悪化、植栽スペースの狭さによる根の衰退などです。健全に生育できるような環境にしてあげれば倒木の危険度はもっと低くなるはず...

倒木の危険、人の安全、根上りによる歩きずらさ...人間の都合で考えれば大きくなった桜は厄介に扱われてしまいます
しかし、街路樹の桜は今もなお枝先にまでしっかりと芽をつけ、生きようとしています


町の付属物ではなく命ある生き物なのだとほんの少しでも考えがあれば、もっと慎重に計画が進行したはずです
すでに伐採された桜の姿からは悲しみを感じます...



大きく枝を切られた桜

人か緑かではなく、どうか共生できる環境の整備へ、国立市から全国へ発信できればと、日本の風景がどうか少しでもあるべきようになることを強く強く願います


意見交換会後の 市民の集い

国立市の住民の方々の地元への誇り、緑への愛は、まさに街路樹たちが育んできたもの
未来に歴史を語り繋げる樹木こそ町の財産

今回さくら通りの署名にご協力くださいましたたくさんの皆様へ、心より感謝申し上げます
本当にありがとうございました

過去の人々は今の私たちにたくさんの物を残してくれました、豊かな風土、伝統、技術、、、
でも今の私たちは未来に何を伝え、何を残せるのでしょうか
暗い未来を作るのも、明るい未来を作るのもきっと今の私たちなのです
どうか国立市だけでなく、それぞれの故郷、町のあるべき姿を考えるきっかけとなりますように











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