竹内

2014年5月18日 日曜日

菜園日記                    途中経過    

昼の日差しが刺さるように熱くなり、木々のありがたさをしみじみと感じます
ここ土気の菜園は小さな樹林マウンド(将来は大きな木立になるのですが...)が点在するものの太陽のシャワーをまともに浴びます。
う~む暑いです たくましく伸びる雑草から元気をもらい本日は夏野菜と落花生を植えていきます


落花生の種は2~3粒ずつポットに入れ芽を出させてから地植えします
ふかふかのもみ殻入り土のベッド、次は芽になってでておいで


            
今回茄子は苗木から育てます
ジャガイモは、種芋をカットしたものが芽を伸びました
大根も葉が大きくなってます

まだ始まったばかりの菜園、天地返しをして堆肥を混ぜてカクハンして、それから畝を立てて...
土づくりの大変さを身に染みて感じます

造園と同じで子育てのような気持ちです




少しずつ賑やかになる畑の風景、どこにでもある風景だけれど自分たちの手でつくると、愛おしいものです
今日はこれができた、次はあれをやろう!小さな喜びを繋いでくれます

まだまだ拡大する畑、今年は大収穫祭となりそうです












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2014年5月11日 日曜日

子供たちと育つ小さな森     小平市 なおび幼稚園

GWも開け一層に初夏を感じる陽気となりました
早朝の肌寒さを払いのけ、今日は東京都小平市にあるなおび幼稚園へと向かいます


武蔵野の多摩川上水の木々が並ぶ清々しい道中
この潤いある道沿いに現場があります


ここ、なおび幼稚園は昨年開園50周年を迎えその記念事業として
200人の園児たち、170人の父兄、先生方、植木屋仲間とたくさんのご協力をいただき植樹祭を行いました 

大人も子供も関係なくワイワイ楽しく植樹を行い、午前中で32種1000本もの苗木はアッという間に土におさまりました
 

 当時の植樹風景
 
 
 



植樹の順番を待つ子供たち、この木何の木?いっぱい植えたいなぁ~楽しげな言葉があちこちで飛び交います

「50年後これをやって良かったなぁとみんなが思えるような事がしたい」
当初打ち合わせで園長先生がおっしゃっていた言葉です。
武蔵野の地を愛し、大切なものに気づかせる場を与えてくださったようで子供たちだけでなく、造園を仕事としている我々にとっても貴重な日となりました


image1 image2

あれから1年ちょっとが経ち、園児たちが両手で持てるほどだった小さな苗木ポットは園児たちの背をゆうに超え、所により2ⅿ近く伸び
みんなが抱き込めた、たくさんの期待や希望を吸うように青々と力一杯に枝葉を広げていました

(感動のあまりあちこちに電話をする親方...)

「この地がいつか森になるように」その願いは子供たちと共にすくすくと育ちつつあります


 
園庭に広がる木漏れ日のなか、子供たちが裸足で駆け回る景色を想像し来週始まる補植工事が待ち遠しくなります...





 

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2014年3月13日 木曜日

大工塾その2 刻み編

前回より引き続き農具小屋の加工です







倉庫での作業は
構造躯体の梁、柱、胴差(腕)のほぞ・ほぞ穴作りがメインとなります、躯体には釘の一切使わない木組で行います
鑿(のみ)を持ち材木に1つ1つ丁寧にほぞ穴を掘っていきます。
ほぞとほぞ穴がしっかりと合致するように抉りすぎないように気を付け、眠っていた材に再び命を吹き込みます

今でこそ古民家再生で貴重視されるようになった古材
「昔は丸太の材が当たり前だったんだよ、機械がなかった昔は張娜(ちょうな)や槍鉋(やりがんな)なんかで荒く表面を削るだけ、
当然大きな丸太を扱う技術もあったのよ、それが当たり前でね、今はみんなそっちに価値を置いてる。
それを扱える人間もかなり減ったからね、時代の流れだよ」(棟梁)

事務所の古材倉庫を開けると昔の空気を感じます、何十年という年月、自分よりもはるかに年を重ね、生活の一部として生きてきた材木からは人ととの深い繋がり、家を支えてきたという何にも代えられないずっしりとした風格を感じます
それを難なく扱う棟梁からもやはり同じような空気を感じずにはいられません...





ほぞ穴が出来ると早速梁に柱を入れ込みあたりを確認します
円形の梁のなりを柱にひかりづけ(丸太の形状を墨で写し取る作業)を行ない平鑿と丸鑿をうまく使いながら柱のほぞを作っていきます。
胴突き部分はいじめないように線残しで慎重に...とやっていく中、棟梁のトントントンという軽快な玄能の音、髪の毛より細く、墨の1線を見事に残していきます。
思わず見惚れてしまいます





ほぞのできた材から墨をのばすように塗装していきます
出来るだけその材を活かすように塗料は灰墨とサラダ油のみで化粧をしていきます
灰墨と油をよく混ぜ、乾燥したタオルでよくこするように、拭きます。
サラダ油の柔らかな光沢、灰墨の黒は木目を品よく浮き立たせます

と倉庫加工はここまで!
次回 束石に柱建て 上棟編へと続きます
















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2014年3月10日 月曜日

大工塾その1 墨付け編--―事務所にて

進行中の鹿島の現場

週末農業を楽しまれるお客様のご希望により、今週から本格的な農具小屋の施工に取りかかります


棟梁の川上徳房さんは高田造園と10年近くのお付き合い、これまでに鎌倉の陶芸小屋、土塀、佐倉市の古民家改修などで
60年近い経験、磨かれた技術と並外れたセンスで高田造園のお庭に風景を添えてくれます
特に、曲がった梁などの古材(古家を解体した材料)を再利用した小屋作りは遊び心にあふれ、お客様だけでなく周囲に住まわれる方々も楽しみにされるほど、懐かしいようで斬新な思わず目を惹く佇まいです

今回は材料選びからご同行させていただきました

材木はは高田造園の古材置場で小屋の寸法に合わせ太さや曲がり具合などを見ながら扱いやすく、丁度良いものを選んでいきます。
ここに置かれているほとんどの古材が千葉県産の材木です
「その土地でとれた材は強いよ」
棟梁の馴染みの言葉です
「どんなに優れた材でもその土地だからこその強さなんだ、気候が違えば、湿度も違う、東北や関西の有名な材を使ったってその土地の物には敵わないんだよ」
木心を知る言葉はいつも何かを気づかせてくれるようで、一緒にいるときはその言葉の先や思考をつかみ取ろうと気が休まりません。木も人も同じなのだろう...




さて事務所に帰って集めた材料を並べます
材料の加工の前に大事な墨付け作業の始まりです
まずは寸法を測る尺杖から作っていきます。歪みのない真直ぐな材に1尺(約30㎝)ごと印をつけてゆきます。
昔はこの尺杖1本で家を建てたというから驚きです




尺杖を作り次に墨を付けるのは今回の見せ場となる曲がりのある扱いの難しい梁です
よーく木のなりを見つめ尺杖をあてがいます
荷重のかかり具合や屋根の形状を計算しどの面を心にするかを決めます







寸法に余裕をもって切った材にに心墨をうちます
心が決まれば次は陸墨みです




陸は高さの基準となる線のことです、棟に垂木彫りをするのですがこの時になるべく木をいじめない高さに決めます。
心と陸がすべての始まりであり最も肝要な墨となるのです


(陸墨図)


その後、柱位置と垂木の位置を墨付けします

次回大工塾その2 刻み編へ続きます





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2014年2月14日 金曜日

雪の日の設計 事務所にて

太陽の日差しが恋しくなってきましたね
記録的な大雪により、ここ千葉市の高田造園も1週間雪に閉ざされ、現場はしばし延期です
(お待たせしていますお客様申し訳ありません‼)
木材加工や、図面、HPの作成などの内業をしかできず、雪国の苦労を身に染みて感じております

そして本日もドラフターに向かい机に散らばした本を睨み付け、紙の上での造園作業に奮闘しています
打ち合わせで使う図面のできるまでには、お客様との打ち合わせ、現場調査、測量、設計、製図、書類作成という過程で進んでいきます。

さらに製図にはいると...

    1、平面原図の作成



  2、CADで建物をおこす
                                                      3、わかりやすく効果的なアングルを考える



  4、庭の骨格を書いたり、木を描いたり

 (親方の下書きを上図のように修正します)
                                                      
                                                      とてもざっとしていますが打ち合わせに同
                                                      行していないときは重要な1枚です。
                                                      たまに、ぼー人間や丸々して飛べなさそう    
                                                      な鳥を加え笑わせてくださいます...
                                                      最近は時間がなく書いてくれませんが、紙  
                                                      を汚すことで良い構図が決まってきます



  参考写真や本を見ながら製図をします  
                                                       木の線は山に登った時や畑に行ったとき                   
                                                       目に焼き付けます。
                                                       自然樹形は樹種や気候によって様々で
                                                       す。森や雑木の独特の空気感を出すに
                                                       は日々木を見なければ追いつきません


                                                       

  5、色塗り(水彩3年前)
                                                       
                                                        水に溶ける色鉛筆を使用します。
                                                        色彩により図面に華やかさが出ます
                                                         

などなどの工程を経てようやく図面書類になっていきます。

打ち合わせ、現調により木の配置やボリュームを考え、設計でお庭の使いやすいよう動線や空間、細かな箇所(水栓の配置や素材、足元の作り、土留めの有無、景石etc...)を決めていきます
お客様のご要望やご希望もこの時に加えられてゆきます

窓の配置や隣家、周囲の状況、方位や気候などたくさんの情報を考慮しての設計を形にしていく作業であり、お客様へ完成したお庭のイメージを伝えるための大切な作業です

線に責任を持つことは設計に責任を持つこと、お客様の夢や喜びを創造します



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