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2020年4月26日 日曜日

今だからこそ

ご無沙汰しております。高田造園の松下です。
世間ではコロナウイルスの拡がりとともに、
経済はもとより私たちの生活様式、生活基盤に大きな影響を及ぼし、
時代として大きな転換期を迎えています。

コロナウィルスにより大変な思いをされている方が
日本中、世界中にいらっしゃり、
我が身も人ごとでない昨今の状況。

その中で自分はどうしていくべきなのか
しっかりと考えなければといけないと感じながら
日々を送っています。

私たちは自然に根差した生活、自然に寄り添った生活を目指し、
施工においてもその場の自然環境を木の力も使いながら、
本来あったその土地の地力に満ちた、
そして住まう私たちにも心地よいと感じられる
相利共生可能な空間、環境作りを目指して仕事しています。



そういう中で、ものを考え仕事をしていると、
時代は人類に、自然に寄り添う生活に方向性を見直さねばならないと
転換の必要性を示してきているのではないかと
最近より感じるようになりました。

私もイベントでの体験を通して、
味噌をここ2年ほど自分で作るようになりました。

今まで普通に暮らす中ではスーパーで買うのが当たり前だった味噌も、
ついこの間までの日本人の生活では自分たちで作るのが当たり前だったものです。

日本人は麹菌をうまく生活の中に取り入れ、
発酵を利用して生活の中で様々な物にうまく活用してきました。



食ベ物も自然の恵み、収穫に感謝し、
自分達が食べるのに必要な物を程々の量で生産・収穫し、
多く獲れたものは周りの人たちと分け合ったり、
発酵食として保存して備蓄してきました。

機械や農薬がない分、自然にインパクトを与え過ぎずに、
自分たちの住む周りの環境を傷めつけずに、
自然の中で「足るを知り」生活していました。

その生活が結果的に自分たちの住む周りの土地環境にも、
発酵食品や農産物などを食べることによって形成される自らの腸内環境にも、自然と程よいバランスで健康に生活して来れたのかもしれません。

しかし、今は食べる物にしても、自分たちの住む周りの環境にしても、
一昔前とはすっかりと異なり、
大量に収穫を確保するためにほぼ肥料と農薬づけになった野菜や穀物類を口にし、
住まう場所も、もともと河川災害の被りやすい地域であったり、
山を削り一様に均し宅地化した場所であったりと、
先祖のように土地の履歴や、地形を読んだりして、
家を建てるべき場所を選ぶといったことが今ではほぼなくなってしまっています。

そういうことに対して地球は、自然は、
人類にそろそろ目を醒ますようきつい仕打ちをしているのかもしれない、そう思ってしまいます。

どなたかが言ってらっしゃった言葉ですが、
自然は残酷で、
時に私たち人間に四季折々の景色を見せてくれたりもしますが、
時に災害級の被害を及ぼしたりもします。

しかし、「自然は美しい反面、時に恐ろしい」と解釈するのは私たちで、
自然というのはもともと中立で、
起きたことに後から私たちが意味付をしているだけなのだと。

今世界では「戦時」「有事」とも言われる現在ですが、
それに匹敵するほどの安全衛生面、経済面の緊急事態で、
人類が一致協力して、まずはウイルス感染拡大を最小限に抑えていく姿勢です。

世界として日本としてはそういう態勢ですが、個人レベルで言うと、病気になってしまえば受け入れ、ワクチンが開発されるまでは自分自身の免疫力、体力に頼る他ありません。

もうすでにウイルスが出現してしまっている以上、いつか被害を及ぼさないレベルになるにしても、共に生きていく覚悟で臨んでいくしかありません。

感染の拡がりを抑え、大切な人の命を守るためにも、今は外での行動を少し抑えることが必要であると考えますが、この波が去って行った後に、その後の世界でどう生きていくか。

それは各々がそれぞれ考えていかないといけないことです。

もしかするとその後に自然災害が追い打ちをかけてくるかもしれません。
そういった心の備えも必要になるかもしれません。



新型コロナウイルスに限ったことではありませんが、
自己防衛策として、少しでも自分自身の免疫力を上げるためには、
普段から食べる物には気を配り、
日本人が大切にしてきた発酵食品や玄米、
そういうものを取り入れた食生活を見直して、徐々に取り戻していく。

またスーパーなどでも食物を購入する際は、
その品物がどのような場所で、どういった方法で作られたのか調べてから購入を検討してみる。

その行き着く究極のところ、安心安全な物を食べるためには、
自分で作ったものを食べるのが一番ですが、
それが実現不可能な方でも、
忙しさの中で見過ごしがちな、
自分の体にもう一度気を配るといった、
今だからこそ見直せることがあるかもしれません。

また、災害級の大雨も降る昨今。
そういう状況下で、どういう場所に大きな被害が出ているのか。
どのような場所が危険にさらされるのか。
もう一度自分たちの生活の中で身の回りを観察し、
再認識しないといけない時期も来ています。

今私たちは、様々な災害の重なる現状を、
私たちの命、体、基礎的な衣食住、その原点をもう一度省みる機会として与えられている気がします。

「神は乗り越えられない試練は与えない」
池江璃花子さんやYOSHIKIさんも信念にされているこの真理を胸に、
今は耐え、乗り越えていくしかありません。

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2020年2月23日 日曜日

苗木を育てる

こんにちは。
高田造園の稲村です。
ついこの間オリンピックイヤーが始まったと思っていたら、いつの間にか1月が終わり2月も終盤に差し掛かっており、時が過ぎる早さを感じております。
この時期になると高田造園では造園工事や環境改善などと並行して、この2つの業務には欠かせない苗木の植え付けを行います。
ちなみについ先日も行いました。
実は苗木には沢山の魅力があるんです。
と言うことで、今回はこの時期に行う苗木の植え付けや使い方などを少し紹介したいと思います。

まず、高田造園では苗木を生産者さんから買ってその苗を畑やポットに植え替えて管理をしています。また、ドングリなど種を植え付けて実生からも育てています。



生産者さんから購入している振るい苗。
落葉の樹木は、冬の間は休眠期になるためこのように土が振るった状態で送られてきます。




苗木は大体70㎝前後の苗で、コナラやモミジ、サクラなどがメインで、ポットには2~3本程度で密植にします。また、樹種もバラバラで混植します。
密植することにより、それぞれが競い合って生長するため、伸長成長が促されます。
この時に大切なのがどのような土を使うかです。
特にポットのような根を張ることが限られ、外部から養分を得にくい場合は、ただ単にその辺の土を使っていてはあまりいい生長はできない可能性が高いと思います。
そこで高田造園では腐葉土に枝葉、くん炭、竹炭をよく混ぜた土を使います。
ちなみにここで使う腐葉土は、剪定で出た枝や葉っぱが、土の中にいる小動物(ミミズやダンゴムシなど様々)や微生物など様々な生き物の力を借りてゆっくりと分解されてできた土を使っています。
この有機物の循環によってできた土、つまり生と死が隣り合う場所でこそ木々は良い成長をすることができるのです。



使用する土の状態です。
枝や葉が多く混ざり合っているのがわかります。
この作業をしているとミミズやカブトムシの幼虫など沢山の生き物がおり、改めて生きた土とはこのような分解者たちの力が必要なのだと感じることができます。

そして1年もすればポット苗でもしっかりと根を張ることができます。






畑でも同じように密植で植え付け、競争させながら生長させます。
この写真は最近撮った写真ですが、僅か1年で3m弱にもなり、あっという間に僕の背丈は越されました。
樹木の生長の速さには驚かされるばかりです。


そしてここからは苗木を使うメリットをお話ししたいと思います。
僕が考える苗木の利点をお話しさせていただきますと、苗木はそこまで大きくないため持ち運びや管理がしやすく、狭いスペースや植栽が難しい場所、山林などでも植栽が可能となります。
そして、だれでも簡単に植栽ができる点は苗木のいい点だと思います。



このようにちょっとした小スペースにも植栽することが可能で、苗木があるだけでも雰囲気はかなり変わってきます。



持ち運びがしやすく、法面などにも簡単に植栽ができます。
また、苗木は根をしっかりとはりながらその土地で生長するため、生長と共に土地を良くしていってくれます。


最後になりますが、苗木は買うことも可能ですが、種から自分で簡単に育てることもできます。
去年は、業務で沢山のドングリのポット作りをしましたが、そのおかげかもあってか個人的にもはまってしまい、僕はアパート住まいですが業務とは別で自分でも沢山作ってしまいました。
コナラのドングリは動き出しが早く、少しずつではありますがすでに根を出し始めています。
このようにゆっくりではありますが、徐々に成長していく植物の成長を見守ることはとても楽しく癒しを与えてくれます。
場所があまりなくても簡単にできるので、ぜひ皆さんもやってみてください。
 

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2019年11月18日 月曜日

ごあいさつ

高田造園のブログをご覧のみなさま、はじめまして。新入社員の山本と申します。
入社二ヶ月足らずではありますが、これから時よりブログを書かせていただくことになりました。どうぞよろしくお願いいたします。

まずはかんたんに私が高田造園に入社した理由を書かせてください。
私はこれまで建築の分野にいました。その中で植栽の大切さ、素晴らしさを実感することがとても多くあり、自分でも計画できるようになりたいという想いが強くなってきました。。
と、いうのと、そもそも建築と庭というものは、同時に、同等に考えてはじめて良いものになるのではないか。と考えました。
そこで、独学ではなくしっかり造園を学びたいと色々調べている時に高田造園を知りました。
高田造園の庭はイキイキとした植物の魅力にあふれていること、そしてそれは見た目だけではなく土の中の環境から考えているということに感銘を受けてここで学びたいと思い入社をしました。
さらに、里山の再生や環境の改善の活動にもとても興味があり、自分もそういった活動のほんの少しの力になれたら、と思っています。

そんなわけで入社いたしましたので、少しだけ最近の現場の様子を。
私がはじめて入らせてもらった鎌倉のお宅です。



このような縦穴、横溝を要所に施すというのは高田造園ではお馴染みの光景ですが、一般的な造園では見られないやり方です。



また、ふつうゴミになりうる、こんな枝や葉っぱも高田造園においては立派な資材です。
まだ入社してほどない私でも最近では剪定で出た枝や葉っぱが大事に思えてきています。通勤途中やプライベートでも、枝葉が山積みにされているのを見かけると、あれ捨てるのかなぁと考えてしまうほどです。それほどに自然のものを循環させることの大切さに目がいくようになりました。


植栽後の様子

実際は、私の撮った写真では伝わり切らない魅力に溢れています。

これからこんな感じで普段の仕事で感じたことなどお伝え出来たらと思います。
また、工事で入らせていただくこともあるかと思いますのでその際はよろしくお願いいたします。

紅葉もそこそこに、急に冬の足音が聞こえてきました。皆様お体にお気を付けてお過ごしください。では。

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2019年10月 1日 火曜日

木々が護ってくれるもの

いつもスタッフブログをご覧いただいている皆様、お世話になっております。
高田造園の石井です。

皆様もすでにご存じのことと思いますが、先日、千葉県における観測史上最強風速の台風15号が甚大な被害を残しました。



台風が過ぎた翌日に会社に向かっても、いたる道路が電柱や建築物の倒壊、倒木などで交通機関は麻痺し、町は惨憺たる有様でした。
千葉市に構える弊社の資材置き場やダーチャフィールドなども倒木や数日の停電がありましたが、特に千葉南部では被害が甚大で、二週間以上の停電や断水、一万件以上の住居の屋根飛びや破損、ハウスの倒壊など・・農林業の損害は、東日本大震災を超えたと指摘されています。
現在ではほとんどの地域で停電や断水が解消されたようですが、未だ多くの地域で復旧活動が続いています。

中でも特に植木屋という職業柄か、倒木の悲惨さにどうしても目が行ってしまいます。
人工林のスギ林などが軒並み幹折れし、電線に引っかかっていたり道路を塞いでいたりという光景は、信じ難い光景でした。

いまだに、電線に引っかかったままの樹木が処理されていない道路も多々あります。





そのような状態が続いていますが・・高田造園のスタッフとして、強く訴えさせて頂きたいことがあります。


それは、「健全な木々が町に在ることがいかに重要であるか」ということです。



今回の台風における多くの倒木によって、住居や交通網に接する木々の安全性や千葉の人工林の問題点が様々なところで唱えられています。
確かに倒木によって多くの被害が出たことは事実であり、それによって苦しい思いをされた方々には大変恐縮な表現に聞こえてしまうかもしれませんが、これを一概に「木は危険だ」とし、生活圏から樹木を排除する風潮や論説が上がらないか、非常に心配しています。

木々は、目には見えないところで、確実に私たちの生活を穏やかなもの、健やかなものにしてくれています。

倒れている樹木が私達のライフラインを寸断している衝撃があまりにも大きくて、粘り強く根を張り続けた木々には一見目が行きませんが、それらの木がなければ、あの暴風は少しも緩和されず、より多くの住宅被害が出ていたであろうことが容易に想像できます。

もちろん、木が穏やかにしてくれるものは風だけではありません。

その樹冠は木陰を作り、蒸散を行うことによって、夏を涼めてくれます。

都心の激しいビル風やヒートアイランド現象を思い返していただければと思います。いかに建築物のみで構成された環境が、外空間の微気候を心地よくないものにしているでしょう。
まだ残暑が続いていますが、太陽照り付ける街では気づけば街路樹の木陰を求めて歩きますよね。

また、これこそ目には見えませんが、木の根っこは本当に偉大です。

樹木の根茎は、土壌、そしてその中にいる菌を捕まえて成長することで、その大地を強く安定させてゆきます。
地上部が折れたり切られても、樹木によっては最萌芽し、土地を支える根茎はそのままに、環境が再生されていきます。
そして、その樹木が枯れてしまっても、朽ちてゆく過程で、土の中に豊かな微生物環境、通気性が生まれ、次世代の樹木が成長するための最高のゆりかごになります。
これらの働きは、どれほど科学が発達しても、木の根によってしかできないものでしょう。

なればこそ、先人たちは、山を守り、家の周囲や通行路沿いに木を植えたものです。
ですが、それではただ木を増やせばいいかということではありません。
単一な地形や樹種のみによる効率最優先の植林では、今回の台風で多く倒木した人工林のような、強風や病気に弱い不健康な森になってしまいます。

その環境にあった地形を築き、樹種、根の多様性を見て植樹法を工夫することで、様々な生物環境も生まれ、健全な森林を育むことができます。
そのような森林は、膨大な雨水によっても、表土を流亡させることなくその土地で吸収して水を浄化し、清廉な水を河に還します。
健全かつ多様な生物環境を持つ森林が減少してゆけば、河川の洪水や土砂崩れなどの災害は増加する一方でしょう。

その土地に根差した持続性の高い暮らしというものは、その言葉通り、木々との共生なくしてはあり得ないのです。

この台風を機に、木を暮らしから益々遠ざけるのではなく、そこに暮らす人々も木々もお互いが健やかに暮らせるような住環境づくりが重視されてほしいと、強く強く願います。




弊社高田造園及びNPO法人地球守では、台風直後から支援物資の配達や伐採、屋根の応急補修の復興活動を行っています。

NPO法人地球守に復興活動支援活動費や物資を寄付してくださった方々
遠方からご協力頂いた造園の同志の方々
現地で快くご案内してくれたボランティアの方々
現状にご理解頂き造園工事をお待ち頂いているお客様

この場で私からもお礼を言わせていただければと思います。
皆様のお陰で私達も復興支援活動をすることができています。

私たちはこれからも継続的に復興を支援する活動を行っていきたいと思っています。
直接的な復興作業ももちろんですが、長期的な目線で、これから未来のためによりよい復興がなされるよう、
日本の自然環境と人々の暮らしを繋げてきた先人の智慧を発信してゆくような活動も、弊社の重要な役割かと思っています。



皆様の日々が健やかでありますように願って、今回の投稿を終わらせていただきます。








(文中に写真を挟めませんでしたので以下に最近の写真を一部添付します)


苗から育てた会社の木立はこの台風でもびくともせず。
私が入社から4年半で、大きさは三倍ほどになりました。


台風通過から6日後、富浦にて屋根応急補修のボランティアへ。


遠方にもかかわらず、高所作業用ゴンドラ、ブルーシートなどを用意してボランティアに協力してくださった、
福島の創苑代表の新さん、埼玉は中央園芸代表の押田さん。本当にありがとうございました。



富浦で活動から五日後、館山での補修へ。
屋根の上から見渡すとブルーシートのかかっていない屋根が珍しいくらいです。


そんな中、湾岸の方位に屋敷林を残しているこの平屋の古屋は、屋根の損害は見られませんでした。
わずかなスペースでも、この木々がどれだけの風を和らげてくれたのでしょうか。


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2019年7月29日 月曜日

梅雨寒から一転猛暑の今日この頃。



関東では例年よりも一週間以上梅雨明けが遅れ、
梅雨明け宣言前にすでに夏の暑さで汗が吹き出る気候の中。

皆様はどうお過ごしでしょうか。

先日までの仙台出張明けの代休を利用ししばらくご無沙汰しておりました
ブログを執筆しております。



こちらは仙台のお施主様宅で、まず行いました敷地際の
通気浸透を改善する作業の後です。

現場は小高い丘陵地の住宅地に建っており、
海側を見ると一望できるような好立地にあります。

ですがその擁壁を施工する際には、
下地に再生砕石で締固められているため、
表層の雨水が浸透しにくい状況です。

まず家周りに植栽を施す前にその擁壁際を溝掘りし、
点々と縦穴を穿っていき、有機物を絡ませ処理を施した後に
土を埋め戻していきました。

こうすることで土地の水や空気が擁壁際で滞ることなく、
擁壁際で下に浸透していき、枝葉が分解していく過程で
土中に菌糸を誘導し、擁壁際に植えた樹木の細根や菌根と
リンクするときネットワークで覆われ、
土地の微生物環境とともに、樹木がより良く成長していきます。

今は苗木レベルの樹木たちも根だけでなく、
土中の微生物のネットワークが整うと、
土の中の細かい水分や養分にも手が届くようになり、
それにともない細根も発達していきます。

細根が発達すると樹木上部も比例して成長し、
枝葉を暴れさせずバランスよく茂らせていきます。

一般的には樹木の細根自体が水分や養分を吸い上げると
思われているかもしれませんが、
その先には根っこと共生する菌や、土中で生息する菌がいて
その微生物たち経由で細根に供給される水分や養分の方が
量としても比較にならないほど多いのです。



擁壁際の水脈浸透処理の後に植栽をする場所には
樹木がそこで下に根を張りやすくするよう、
下地を耕しながら竹炭、籾殻薫炭を混ぜ合わせます。

また下地の中にも縦穴を穿ち竹炭を埋め、炭柱とします。

その上に稲わらと炭をまき、敷葉工法で土をかぶせ
その上に樹木の鉢を置いた状態です。

高田造園では植栽といえども一般的に行う、
穴を掘って樹木の鉢を入れて埋め戻すのではなく、
下地を撹拌しその上に樹木の鉢を置いて土を覆土する方法です。

「植木鉢を地面に置いておいたら気づいたら下の水抜き穴から
 根っこが出て地面に根を張って取れなくなっていた。

 それを放っておいたらさらにどんどん
 木として成長してしまった。」

そういう経験をされた方も多いのではないかと思います。

樹木は下地に根を張れば、後は菌との共生の中で
水と空気を求め根も発達していきます。

また地面よりも高い位置に植えることになるので
表層に水や空気が滞ることもありません。

埋め戻す土は客土する黒土だけではなく、
現場にもともとあった溝掘りして出た土を半々ぐらいに混ぜ合わせ、
さらに菌が絡みやすいよう薫炭を配合します。

あくまで現場で出た土は運び出さず、
その土地の情報としてその土地に還す。

擁壁際での水脈整備作業においても、
現場にもともと主のように鎮座しているカシの剪定枝を
混ぜ合わせています。

その場のものはできるだけ持ち出さず、
その場の情報として還す。

これは高田造園のポリシーの一つです。

全部が全部100%そうするのは不可能かもしれませんが
造園という仕事は、工夫次第で循環型で仕事をしていける
業種の一つです。

リユースとしてゴミとして扱わないことで
処分するものを増やさない。

またその土地の情報として還元する。

自分の感覚の中にもこの感覚が染み込んでいくよう
修行期間中には繰り返し思い起こそうと思います。

今回は写真をゆっくり撮れる余裕がなく
実際の写真が少なく申し訳ありませんが、
その後、二日目の作業で覆土し、植栽マウンドの周りにも
縦穴、溝堀を施し有機物処理を施し、
先週の仙台の仕事を終え戻ってまいりました。

また今週後半にお伺いするまで体力を回復させつつ、
千葉での手入れでお待たせしておりますお客様宅にも
お伺いさせていただきます。

寒いぐらいの涼しい梅雨が一転、
酷暑猛暑と予想されそうな夏がもう直、到来しそうです。

皆様、体調管理には十分に留意され、お過ごしくださいませ。


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