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庭園紀行

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「大和路の古寺と石仏の旅」(平成17年6月撮影分)
■大和路の古寺と石仏の旅 (平成17年6月撮影)
深い森や山々の霊気ただよう大和路、仏教伝来以前から日本の中心地として歴史と文化を刻んできました。有史以降の飛鳥、奈良時代に始まる、日本特有の神々と自然、そして渡来した仏教文化との見事なまでの融合と共存の歴史を存分に感じる旅となりました。自然と神々と人間との共存、そこに私達が祖先から脈々と受け継いできた、日本独特の原風景がありました。
室生寺の金堂(国宝)
室生寺は奈良時代の創建で、この金堂は本来薬師堂であり、平安時代初期の建立と考えられています。
■室生寺の五重塔(国宝)
奈良時代天平年間の建立と伝えられ、室生寺伽藍の中で、残存する最も古い建築です。
■室生寺奥の院へ続く石段
杉の大木、木々の霊気を感じながら石段をひたすら上ると、山頂の御影堂(重要文化財)にたどり着きます。石段の途中には五輪塔や石仏が随所に点在し、かつての人々の営みや思いを我々に問いかけてきます。
■大野寺の弥勒磨崖仏(史跡)
宇陀川沿いに聳える30m以上の屏風岩、そこにこの弥勒仏が線刻され、宇陀川の清流を見下ろしています。
この磨崖仏は鎌倉時代初期、後鳥羽上皇の発願で造立されました。
■談山神社の木造十三重塔 (重要文化財 )
日本に現存する唯一の木造十三重塔であり、大化の改新の功労者、藤原鎌足を弔い、息子藤原不比等によって造立されたのがこの塔の起源です。
現在の塔は室町時代の再建です。写真背面の山中で、中大兄皇子と藤原鎌足が極秘に談合し、大化の改新にいたりました。統一国家誕生の地と言えるでしょう。
■栄山寺の七重石塔婆 (重要文化財)
五条市の河畔にたたずむ栄山寺は奈良時代初期の創建です。天平年間建立の八角円堂や平安時代の青銅製梵鐘(共に国宝)など、貴重な文化財の数々が往時を物語っていました。
この石塔婆は風化しやすい凝灰岩にて製作されたもののなかで際立ってよく残存している、大変貴重な遺品です。奈良時代の作品とされていますが、保存状態や梵字の字体などから考えると、平安末期から鎌倉時代の後補と思われます。

■当尾山中の里
当尾の山道には数々の古い石仏や岩壁に彫られた磨崖仏が点在しています。
巡礼の思いで当尾山中を歩いてみました。
日本の原風景のような山里の風景には懐かしさを感じます。
■当尾山中の石仏
林中を抜けて里に出ると、鎌倉時代に掘られた阿弥陀三尊が笑顔で迎えてくれました。
鎌倉時代在銘で、「わらい仏」と言われて親しまれています。
■当尾山中の石仏 三体地蔵尊
■当尾山中 藪の中三尊
■当尾の辻、あたご灯籠
鎌倉時代の石仏群を訪ねて山中を抜けると、山里の道筋に一風変わった灯籠を見かけました。
ユーモラスな自然石を立てて火穴を穿っただけの簡単なもので、山里の景を和やかにしていました。地元では「あたご灯籠」と呼ばれて親しまれています。
■浄瑠璃寺 岩島越しの三重塔
当尾山中を越えると、とても美しい庭園の浄瑠璃寺にたどり着きました。
山の瞳のような浄土式池泉、西に国宝阿弥陀堂、東に薬師如来を本尊とする三重塔(重要文化財)、それら全てが山中の清浄な空気に包まれて溶け込み、心洗われる想いを感じさせられます。
庭園に通い始めて20年近くになりますが、もっと早くここに来るべきだったと、強く思うほどの感動を味わうことができました。
■岩船寺の三重塔
聖武天皇の勅願による創建と伝えられる岩船寺は当尾の山中にあります。
この三重塔は室町時代の建立で重要文化財です。奈良仏教に端を発する寺院の多くは仏舎利塔を起源とする木造多重塔を、本尊を安置する本堂(金堂)と同列に、伽藍の中心的存在として配置します。
■円成寺境内の社殿
奈良市外から柳生の道に向かう山中に円成寺がひっそりとたたずんでおります。
その境内には現存最古の春日造りの社殿、春日堂(写真左)と白山堂(写真右)があり、いずれも国宝です。
この建築様式は仏教伝来以前、古墳時代の建築に見られる造りで、日本独自の造形です。鎌倉時代初期の建立ですが、上古から脈々と続く悠久の歴史を感じさせられます。
■笠置寺の巨石群
柳生の里の最深部、笠置山山頂部には数十メートルもの巨石が林立し、神々しいまでの雰囲気を醸し出しています。
古代よりこの地は岩座(いわくら)といって、神の宿る場所であり、信仰の対象となってきました。その歴史の痕跡ははるか弥生時代にさかのぼります。
巨石信仰は古代の世界各地にその足跡が残存しますが、巨木や巨石に神秘的なものを感じるのは、古今東西、人類共通の意識のようです。
■笠置寺本尊 弥勒磨崖仏
笠置寺本堂前に聳える巨石に、高さ15mの弥勒磨崖仏の痕跡が残っております。
再三の戦火で線刻された弥勒菩薩は消えてしまいましたが、後背はなお鮮明に残存し、神秘的な力を強く感じさせます。奈良時代後期の刻出と伝えられます。
■笠置寺 虚空蔵磨崖仏
笠置山中に鮮やかに残るこの磨崖仏は、高さ10mの巨石に線刻されています。平安後期の刻出と推定されており、とても美しい弥勒菩薩坐像を間近で拝むことが出来ます。
花崗岩磨崖仏としては全国一の傑作と言われ、その線の美に非常に心打たれるものがあります。
■笠置寺の十三重石塔
笠置寺弥勒磨崖仏の脇に、周囲の景色に溶け込むように、この十三重石塔があります。
鎌倉時代後期の作で重要文化財指定です。
平安末期にはこの石塔の位置には木造十三重塔があったと伝えられ、戦火による消失の後、往時をひっそりと伝えるがごとく、この十三重石塔が立てられました。
連綿たる歴史の流れを知れば知るほど、古来からの日本人独特の宗教心や自然観に心を強く打たれます。
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