雑木の庭の管理――4
差し込む光量のコントロール
雑木の庭の植栽は自然林と同じく、上下の空間を高木、中木、低木とが階層的に空間を分け合います。
人手を加えずに放置し続けると、やがて高木の枝葉が上空をふさぎ、庭の地表に入る光量が減少し、下層の植生が移り変わっていきます。林床には、アオキやヤツデ、ヒサカキ、シロダモなど森の下の木陰の植生が、小鳥のフンなどを介在した種の飛来によって広がっていきます。そして、日照が必要な低木は徐々に衰退していきます。
住まいの庭環境である以上、四季折々の開花や紅葉など、庭を彩る多彩な中木や低木は生き生きと育てて、楽しみたいものです。
こうした下層の植物が健康に育つために、必要なだけの光が届くように、高木など上層の枝葉を透かすことも大切な管理作業のひとつです。