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庭園紀行

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「臼杵、国東文化と石仏の旅2」 (平成18年7月撮影) 

■財前家墓地の国東塔(国指定重文)
紀氏の血統を次ぐ財前家の墓地にはこの国東塔を中心に100基あまりの石塔群が見られます。中心の大きな国東塔は鎌倉時代後期の作、肩の張った宝塔塔身と引き締まった頸部、厚く力強い軒の反り、しっかりした露盤と国東独特の相輪、そして、全体を納める3段の基壇、伸びやかな岩戸寺宝塔とはまた一味違う、どっしりした観の強い、見事な石塔でした。

 
■財前家墓地の板碑
国東独自の板碑もまた、国東石造文化の代表です。その特徴は、頭部の鈍角のとがり、塔身が垂直断面で内部に彎曲、水平断面で外側に彎曲していること、頭額部から碑身への著しい切り欠き、梵字種子の蓮華座がないことなど、独自の特徴顕著です。
彎曲した形状が豊満な重量感と際立った存在感をもたらしています。
 

■長木家墓地国東塔(国指定重文)
高さ3,97m、在銘品最大の国東塔で鎌倉時代後期の作です。
山中の田畑を見回すようにひっそりと、しかも不滅の存在感を持って竣立しています。

     
■長木家国東塔 塔身下部、基礎細部
基礎は3区画に格狭間が入り、上端を塔身受座に複弁反花としています。塔身下部は単弁2重葺きの連座を置いています。国東石造品の細部は自由でかつ様々で、とても楽しく鑑賞できます。
     

■長木家墓地 鳴板碑
鎌倉末期建立のこの板碑は総高3,38mで、西日本最大の板碑です。文殊菩薩を表す梵字種子の大きさは1m余りという、とてつもない迫力の板碑でした。五輪塔に囲まれながら、山中に立ち続けています。

     

■田原家五重石塔(国指定重文)
総高4,2m、南北朝時代の建立でとても優美な層塔です。軸部と屋根は別石で作られ、上部にいくに従い軸の長さが漸減し、とても優美な感を見せています。2重の基壇の上、基礎は3区画の中に格狭間が入っています。

     

■旧大聖寺跡五輪塔群
田んぼの真ん中、大木の下に宝篋印塔、五輪塔などの石塔が数百基立ち並んでしました。
 五輪塔とは、端的にいうと大日の法身たる森羅万象の実態を地水火風空の五輪五体に配して象徴される石造卒塔婆をいい、平安後期以降盛んに造立されました。
 五輪塔ほど、一般庶民に広く親近感を持たれて造立された石塔も他にないでしょう。

     

■旧大聖寺跡の五輪塔
庶民の間でひたむきに造立された五輪塔、多くは供養塔として亡くなった本人の化身のように大切に扱われてきました。
 発願者の敬虔な祈りに発した石造品、研究者の間でこれらが単なる美術品として扱われることに私は大きな抵抗を感じます。不滅の存在を感じる石に死後の生命を宿して祈りを捧げた人々の心、何気ない小さな五輪塔に、故人の生命を森羅万象の輪廻の中に帰してなおも埋没させきれない、人々の思い、形に託された真実の想い、こうしたたくさんの無名の人の真摯な心が、人に訴えかける形を生み出すものと感じます。

     

■釈迦堂跡の宝篋印塔
田んぼの一角に佇む石仏や石塔の光景は国東で普通の光景です。豊後高田市真中の釈迦堂跡に残る宝篋印塔で、周囲には五輪塔や石仏の数々が寄せられていました。それにしても、こうして周囲の樹木と共に残存されてきた背景には、国東の人々の敬虔で素朴で優しい心があります。なんという平和、土地の風景は住む人の心を映す鏡といえるでしょう。

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