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造園施工例――5

水辺の景――せせらぎと水鉢



庭に水辺をつくることによって、その庭に命が宿ります。せせらぎの水音、水浴びに集まる小鳥たち、反射する水面の表情は心地よく響き変化して、室内にいながらまるで大自然の懐に抱かれているような錯覚すら感じさせてくれます。

水鉢一つでも、そこに水辺があることで庭の生態系は格段に豊かになります。訪れる小鳥たちが庭を見張り、小鳥が落とした糞を介してさまざまな木々の実生が芽吹き、庭を自然の移り変わりの中に誘います。

水辺の存在は、生き物たちにとっても
庭を格段に豊かな空間にしてくれるのです。

 



>> 以下の画像はクリックで拡大表示します。


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千葉市緑区H氏邸] 掃き出し窓の軒下の叩き土間の際に配した深く大きな水鉢が、掃出し窓の景を引き締めます。家際の水面は揺れる光を反射して室内に呼び込みます。



玄関ポーチ脇の叩き土間の中にも、水鉢を配し、足元に潤いを添えました。



和室前では自然石に窪みを穿って水鉢にし、筧で水を落とします。



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神奈川県足柄下郡湯河原町 温泉宿の庭] 
険しい山間の湯河原にふさわしく、
岩間を伝い落ちる上流部の景を構成しています。


激しく伝い落ちる源頭部の滝落とし。


軒内から見た木々の合間の源頭部の景



木々の合間を2筋の流れが伝い、
時に激しく、時に緩やかに、様々な表情を見せてくれます。



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千葉県佐倉市A氏邸] 
山間地の湯河原と打って変わり、ここでは古民家を再生して建てた離れ屋の前の小川です。
 


里をながれて家の敷地に至る、
穏やかで懐かしい里山の小川をここでは再現してみました。



大きな滝落としはなく、日差しを揺らして明るく流れる里の小川。
トンボが舞い、キジバトやセキレイ、メジロが訪れ、
メダカが住み着くどこか懐かしい水辺の風景。

ここにはそんな小川がよく似合います。



縁先の手水鉢には、もともとこの屋敷にあったものを再利用して用いました。



縁先の手水鉢をオーソドックスにおさめます。
縁先に出て清らかな外の風を感じつつ手を清めた、
かつての暮らしの心象風景を作ります。



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千葉県鴨川市T氏邸] 玄関前叩き土間脇の水鉢。日常の風景を水鉢が豊かにまとめあげます。
 


玄関ポーチから見た水鉢周辺の景。
鎖を伝い、玄関ポーチ庇の雨落ちを受けます。



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千葉県佐倉市Y氏邸] 地元の水生植物で構成したビオトープ鉢。
水鉢一つでも十分に楽しめるうえ、庭の生態系を豊かにする、
だからこそ、庭に水辺は作りたいものです。