お知らせ
2019年3月 3日 日曜日
初めてのご挨拶
初めまして、スタッフの稲村と申します。
高田造園に入社して早1年以上経ちますが初めての投稿になります。
ご挨拶が遅くなってしまい大変申し訳ございませんでした。
これからは定期的に現場の雰囲気や高田造園の日々の活動などを、文章表現が苦手な僕ではありますが、お届けできるように頑張ってまいりますので、あたたかく見守って頂ければと思います。
高田造園に入社してからもう少しで1年半になろうとしています。
入社してからのことを改めて振り返ってみると、本当にあっという間だったというのが正直な感想です。
造園工事は初めての経験でしが、それだけでなく環境改善など高田造園の仕事は多義にわたるため、全てが新鮮で、毎日が勉強でした。
例えば、植栽をしたからと言ってそれが終わりではないのです。その土地が少しでも良くなるように、植栽した木々たちがその土地に馴染み健康に育つようにといった様々な想いがあって、水脈を改善したり、植え方に拘ったりと様々なことに工夫がこなされているのです。
そのようなことを毎日考えていると、次第に自分の考え方などが変化していき、樹木1本1本から身の回りの環境に至るまでの自分の見方が変わっていったように思えます。
約、1年半を通して多くの事を勉強できたと思いますが、まだまだ全然足りません。これからも高田親方の下、技術、知見、感性を磨いていきます。
早速ですが、先日竣工致しました現場の紹介をしたいと思います。
ここは埼玉県内の某現場でした。
市の古地図を見てみると、その地域一帯は以前は田んぼとして活用されていた土地らしく、そこが今は宅地開発され住宅街となった場所で、工事の初期には穴を30~40センチ掘るとすでに水が大量にしみだしてくる状況でした。そこで、まずは縦穴などの水脈改善を行い、土中の水と空気の流れを良くし、土地が正常な呼吸ができるようにしました。すると、次第に同じ深さを掘っても水が出てこなかったりと、工期の間でも改善の効果が少しずつ出てきているのではないかと感じるようになりました。
工事途中の風景です
完成後の風景です
工事途中の写真と比べてみると玄関前だけでも圧倒的に樹木が増えてのが分かります。
樹木があるだけでこんなにも雰囲気が変わりますね。
これから新芽が出で来ると、もっと緑量が増すので楽しみです。
庭の中には露地(茶庭)があります。
茶庭を造るのは僕自身は初めての経験だったので新鮮でした。
アオキなどの常緑樹が茶庭の雰囲気を引き出してくれている気がします。
竣工した2月の中旬にはマンサクの花がたくさん出始めていました。
現場には数本のマンサクが植えられています。恥ずかしながら、高田造園に入るまではマンサクをあまり見る機会がなかったのですが、花が特徴的でとてもきれいな花です。
マンサクは漢字で満作と書き、「豊年満作」やまだ雪の残っている山中に一番に咲く花なので「まず咲く」が名前の由来だそうです。
ちなみに僕は結構気に入っています。
皆さんも見かける機会があったらぜひチェックしてみてください。
ついこの間年が明けたかと思っていたのですが、気づけば辺りは梅の花が咲き始め徐々に春の気配を感じるようになってきましたね。
造園を始めて四季の移ろいを心から感じれるようになり、楽しめるようになりました。
まだまだ未熟者ですが、これからも頑張ってまいりますのでよろしくお願いします。
高田造園に入社して早1年以上経ちますが初めての投稿になります。
ご挨拶が遅くなってしまい大変申し訳ございませんでした。
これからは定期的に現場の雰囲気や高田造園の日々の活動などを、文章表現が苦手な僕ではありますが、お届けできるように頑張ってまいりますので、あたたかく見守って頂ければと思います。
高田造園に入社してからもう少しで1年半になろうとしています。
入社してからのことを改めて振り返ってみると、本当にあっという間だったというのが正直な感想です。
造園工事は初めての経験でしが、それだけでなく環境改善など高田造園の仕事は多義にわたるため、全てが新鮮で、毎日が勉強でした。
例えば、植栽をしたからと言ってそれが終わりではないのです。その土地が少しでも良くなるように、植栽した木々たちがその土地に馴染み健康に育つようにといった様々な想いがあって、水脈を改善したり、植え方に拘ったりと様々なことに工夫がこなされているのです。
そのようなことを毎日考えていると、次第に自分の考え方などが変化していき、樹木1本1本から身の回りの環境に至るまでの自分の見方が変わっていったように思えます。
約、1年半を通して多くの事を勉強できたと思いますが、まだまだ全然足りません。これからも高田親方の下、技術、知見、感性を磨いていきます。
早速ですが、先日竣工致しました現場の紹介をしたいと思います。
ここは埼玉県内の某現場でした。
市の古地図を見てみると、その地域一帯は以前は田んぼとして活用されていた土地らしく、そこが今は宅地開発され住宅街となった場所で、工事の初期には穴を30~40センチ掘るとすでに水が大量にしみだしてくる状況でした。そこで、まずは縦穴などの水脈改善を行い、土中の水と空気の流れを良くし、土地が正常な呼吸ができるようにしました。すると、次第に同じ深さを掘っても水が出てこなかったりと、工期の間でも改善の効果が少しずつ出てきているのではないかと感じるようになりました。
工事途中の風景です
完成後の風景です
工事途中の写真と比べてみると玄関前だけでも圧倒的に樹木が増えてのが分かります。
樹木があるだけでこんなにも雰囲気が変わりますね。
これから新芽が出で来ると、もっと緑量が増すので楽しみです。
庭の中には露地(茶庭)があります。
茶庭を造るのは僕自身は初めての経験だったので新鮮でした。
アオキなどの常緑樹が茶庭の雰囲気を引き出してくれている気がします。
竣工した2月の中旬にはマンサクの花がたくさん出始めていました。
現場には数本のマンサクが植えられています。恥ずかしながら、高田造園に入るまではマンサクをあまり見る機会がなかったのですが、花が特徴的でとてもきれいな花です。
マンサクは漢字で満作と書き、「豊年満作」やまだ雪の残っている山中に一番に咲く花なので「まず咲く」が名前の由来だそうです。
ちなみに僕は結構気に入っています。
皆さんも見かける機会があったらぜひチェックしてみてください。
ついこの間年が明けたかと思っていたのですが、気づけば辺りは梅の花が咲き始め徐々に春の気配を感じるようになってきましたね。
造園を始めて四季の移ろいを心から感じれるようになり、楽しめるようになりました。
まだまだ未熟者ですが、これからも頑張ってまいりますのでよろしくお願いします。
投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | 記事URL
2018年5月24日 木曜日
石を畳む
もう真夏並みの気温の日もみえはじめたこの季節、皆様お過ごしでしょうか。従業員の石井です。
またしても前回の更新からだいぶ日が空いてしまいました。
おかげさまで日々環境改善や造園施工で忙しい高田造園の日常ですが、毎年五月の連休は社員それぞれが造園的な感性を養うため連休をいただいております。
そこで私もこの連休を使って、熊野古道と伊勢神宮を拝見してきました。
親方が、自然環境への配慮がみえる好例として常々挙げる地であり、かねてより訪れたいなと思っていた場所です。
親方が更新している別サイトのブログでも、過去に詳しく取り上げられています。
(私などとは比較にならない知見と情報量が込められた過去の記事を下記にリンクします。よろしければこちらも是非。
伊勢神宮について・・http://www.zoukinoniwa.biz/blog/2016/02/post_59.html
熊野古道について・・http://www.zoukinoniwa.biz/blog/2016/01/28110.html)
今回は、そのレポートを写真とともに記していきたいと思います。
日本列島を俯瞰すると、本州の中心あたりから南に張り出すように突き出る巨大な紀伊半島。
深い森が海へと突出したこの地には古くから自然信仰の聖地とされる場所が多く、半島全体が巨大なパワースポットといっても過言ではないそうです。
その半島の大部分を占める山地には、熊野三山、高野山、吉野・大峰という全国でも屈指と評価される零場が存在し、その地に至る参詣道こそが熊野古道になります。
古くは平安時代より、皇族や修験者、庶民に至るまでが闊歩したこの道は、奈良、和歌山、三重の三県を跨り、いくつものルートをあわせたその全長は1000kmを超えるほど。
私が訪れましたのは、三重県の「伊勢路」の中でも石畳が美しいといわれる「馬越峠」
紀勢自動車道海山ICを降りて道の駅に車を停め、この地区の鎮守の杜である相賀神社に一礼。
奇跡とも称されるのも頷けるほど澄み切った銚子川の清流を眺めながら、便ノ山橋を渡ります。
そこから少し歩いたところに石畳残る入口がありました。すぐそばに国道が通っていますが、これを登って山の中に入れば・・
針葉樹林とシダたちに抱かれた厳かな山道の風景に包まれます。
全国有数の多雨地帯であるこの半島にこそやはり石の山道が必要だったのでしょう。
ひたすらに美しい石畳が続きます。かつてこの石を畳んだ古人の執念すら感じられるような力強い路です。
しかし、その不規則にも見えるこの石段は、平滑な舗装道路よりはるかに歩きやすく感じます。
頭が透き通る、という親方の言葉を身をもって体感できる瞬間です。
石畳の間に入り込み、しかしながら石畳を壊さず、蹴上として機能している根すらあるこの状況こそ、この古道の石畳がこの地に対しての配慮として通期浸透性を担保し続けている何よりの証拠と言えるでしょう。
洗い越しと呼ばれている、山側の水を谷川に流す水路。このエリアだけでもいくつも見かけます。
石畳を設ける際山側を段切りした際に出る水や雨水を処理する工夫と思われます。
途中、石畳の古道を逸れて、天狗倉山の頂上を目指し山路を登ります。
岩盤地帯ゆえか道すがらに巨石も多く、中にはその岩石の隙間に根を差し込むようにしてたくましく育っている樹木も。
岩盤を突き進んでなお肥大させる根っこの力に土地の生命力を感じます。
急坂を這うように上ると、磐座といえるほどの巨石、天狗岩が姿を現します。これを登れば頂上です。
頂上からは、尾鷲湾を見下ろすことのできる絶景を堪能できます。
リアス式海岸とその近くにそびえる山々、そしてそれらをつなぐ清流残る河川が、この地に海、山、川の幸すべてを授けている要因なのでしょう。
下山した後は、また石畳を少し歩けば、尾鷲市街に抜けることができます。
先人たちの執念と環境への配慮に畏敬の念を覚える体験となりました。
皆さんも三重にお越しの際はぜひお立ちよりを検討ください。歴史ある路のエネルギーを体感することができると思います。
真夏日ともいえる日が増えてきた今日、皆様も職種に限らず日焼けと水分補給にお気をつけてお過ごしください。それでは。
投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | 記事URL
2018年1月23日 火曜日
小寒、大寒、大寒波!
高田造園ブログをご覧の皆さん、大変遅ればせながら、あけましておめでとうございます。従業員の石井です。
新年を迎えまして早三週間、高田造園も日々造園工事や環境改善に邁進しております、本年もよろしくお願い申し上げます。
さて、まさに二十四節気でいうところの「大寒」の時期にふさわしく、というべきでしょうか・・
このブログを更新することができましたのは、関東全域にも訪れました今冬最大の寒波の仕業にほかなりません。
ここまで積雪してしまった以上、通勤もままならぬため、本日の現場作業は中止となったのでした。
都内の交通利用の多い駅においては入場制限があったとも聞きます、高速道路においては立ち往生も・・
皆様も残雪の影響にお気を付けください。
この積雪でご不便を被った方は雪はもう結構と思われるであろうところ、またも雪つながりで恐縮ですが・・
今回のブログでは、お正月のお休み(「小寒」の時期ですね)に訪れました八ヶ岳は北横岳の紹介をさせていただきます。
八ヶ岳連峰の一つ、北横岳は、正式には横岳といいます。しかしわずか10キロ下の南八ヶ岳に同名の「横岳」があるため、便宜上このように呼ばれることが多いようです。山頂は二峰に分かれていますが北峰の標高が高く2480メートル。
冬山初挑戦の私がこの山を選んだ理由が、この山のお手軽さです。
北横岳にはロープウェイがあり、標高1700メートルほどにある山麓駅から、2200メートルの山頂駅まで10分弱で上がることができ、その後、軽アイゼンのみでも歩ける1時間半ほどのコースタイムのルートを進めば山頂に到達することができます。
名物のキツツキに見送られスタート
頭を出した低木に雪がしがらんで、地形がぽこぽこ。雪原を歩いたり・・
樹林の中に入ったり
少し登るとロープウェイと絶景が!
そしてあっという間に頂上です!見下ろした樹林がまだ雪がまばらで美しいです!
店主の気遣いと料理が素晴らしいとの北横岳ヒュッテ。の横のベンチでお昼
冬山で湯沸かしして食べるカップラーメンと食後のドリップコーヒーは絶品!!
防寒装備や天気には最大限注意したいところですが、冬山が初めての方、お手軽に日帰りなどで雪の山を楽しみたい方にはおすすめの北横岳のご紹介でした。
ふと執筆途中に外を見ると、日なたの雪はすっかりありませんでした。
空気を吸いに家の外を歩いてみると、ひなあられのような蕾をたくさんつけた梅が、雪のヴェールを脱いで、ひなたぼっこ。
その枝先にちらほらと・・
昨日の雪を思わせるような純白の花をつけていました。
今にも開花しそうな真ん丸の蕾から少しのぞいた白い花びらが、たまらなく愛らしいです。
草木の中でいの一番に花をつけるといわれている梅、その移ろうさまは、まさに立春という言葉にふさわしいと感じます。
こうして、三寒四温で暖かい春に向かっていくのでしょう。
皆様も、まだ続く寒さと日中の寒暖差にお気をつけながらお過ごしください。
新年を迎えまして早三週間、高田造園も日々造園工事や環境改善に邁進しております、本年もよろしくお願い申し上げます。
さて、まさに二十四節気でいうところの「大寒」の時期にふさわしく、というべきでしょうか・・
このブログを更新することができましたのは、関東全域にも訪れました今冬最大の寒波の仕業にほかなりません。
ここまで積雪してしまった以上、通勤もままならぬため、本日の現場作業は中止となったのでした。
都内の交通利用の多い駅においては入場制限があったとも聞きます、高速道路においては立ち往生も・・
皆様も残雪の影響にお気を付けください。
この積雪でご不便を被った方は雪はもう結構と思われるであろうところ、またも雪つながりで恐縮ですが・・
今回のブログでは、お正月のお休み(「小寒」の時期ですね)に訪れました八ヶ岳は北横岳の紹介をさせていただきます。
八ヶ岳連峰の一つ、北横岳は、正式には横岳といいます。しかしわずか10キロ下の南八ヶ岳に同名の「横岳」があるため、便宜上このように呼ばれることが多いようです。山頂は二峰に分かれていますが北峰の標高が高く2480メートル。
冬山初挑戦の私がこの山を選んだ理由が、この山のお手軽さです。
北横岳にはロープウェイがあり、標高1700メートルほどにある山麓駅から、2200メートルの山頂駅まで10分弱で上がることができ、その後、軽アイゼンのみでも歩ける1時間半ほどのコースタイムのルートを進めば山頂に到達することができます。
名物のキツツキに見送られスタート
頭を出した低木に雪がしがらんで、地形がぽこぽこ。雪原を歩いたり・・
樹林の中に入ったり
少し登るとロープウェイと絶景が!
そしてあっという間に頂上です!見下ろした樹林がまだ雪がまばらで美しいです!
店主の気遣いと料理が素晴らしいとの北横岳ヒュッテ。の横のベンチでお昼
冬山で湯沸かしして食べるカップラーメンと食後のドリップコーヒーは絶品!!
防寒装備や天気には最大限注意したいところですが、冬山が初めての方、お手軽に日帰りなどで雪の山を楽しみたい方にはおすすめの北横岳のご紹介でした。
ふと執筆途中に外を見ると、日なたの雪はすっかりありませんでした。
空気を吸いに家の外を歩いてみると、ひなあられのような蕾をたくさんつけた梅が、雪のヴェールを脱いで、ひなたぼっこ。
その枝先にちらほらと・・
昨日の雪を思わせるような純白の花をつけていました。
今にも開花しそうな真ん丸の蕾から少しのぞいた白い花びらが、たまらなく愛らしいです。
草木の中でいの一番に花をつけるといわれている梅、その移ろうさまは、まさに立春という言葉にふさわしいと感じます。
こうして、三寒四温で暖かい春に向かっていくのでしょう。
皆様も、まだ続く寒さと日中の寒暖差にお気をつけながらお過ごしください。
投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | 記事URL
2017年12月 3日 日曜日
いくたびも 雪の深さを 尋ねけり
師走に入りいよいよ寒さが本格的な冬の様相を呈している今日このころ、皆様いかがお過ごしでしょうか。
久々の更新になってしまいました、従業員の石井です。
さて、タイトルにしました冒頭の俳句、文学に精通している方はご存知かもしれませんが、その本歌の解釈とは少々異なった意味で用いらせていただきました。
といいますのも・・
こちらは、磐越道新潟方面途中、福島県の磐梯町にある磐梯山パーキングエリアの様子です。
関東地方在住の身としては考え難い積雪量となっていました・・
そう、高田造園は11月、手入れ行脚前今年度最後の造園工事で、福島県塩川町(会津や喜多方の近くですね)のお宅に訪ねていたのです。
材料を段取る都合で週に一度は千葉に帰るため、11月の後半は、現地の方に電話で積雪量を確認したり天気との闘いになりました。
とはいえ磐梯山のあたりは塩川町に比べ標高が高く現地の人も別世界というほどで、現場の積雪は数センチでしたが・・
さて、11月に入るころはこのような様子でしたが・・
一期工事終了後です。ほぼ同じ角度より。住宅を包み込む、新たな雑木のお庭が誕生しました。
生活同線の合間を縫うように設けられた木立は、施工当初からすでに家屋と馴染むような雰囲気を感じさせます。
主庭全体。既存の松も雑木になじむよう手入れをして、庭に溶け込ませます。
細かい仕上げは来年の春、二期工事で行い、本格的な完成を迎えます。
寒さを気遣っていただき温かいお茶やお茶菓子を出していただいたお施主様、年末の忙しい中ご協力いただいた方々、ありがとうございました。
そして、暮れは手入れ行脚に回ります。写真は施工後十年近くの時間が経過した千葉のお宅の手入れ後の様子です。
やわらかい苔の乗った地表と木々の幹の逞しさ、秋に色づく葉っぱと差し込む日の光がお庭に静謐な空気をもたらしているようです。
手入れのこの時期は、一年に一度か二度しかない、作庭させていただいたお宅に訪ねられる、貴重な時期です。
お施主様のお話や成長した木々の様子を伺えるこの瞬間々々をたいせつにして、残り一か月の今年を過ごしたいと思います。
残り少ない今年の最後に寒さで体調を崩さぬよう、皆様も心身ともに暖かくして毎日をお過ごしください・・
それでは皆さん、よいお年を!
久々の更新になってしまいました、従業員の石井です。
さて、タイトルにしました冒頭の俳句、文学に精通している方はご存知かもしれませんが、その本歌の解釈とは少々異なった意味で用いらせていただきました。
といいますのも・・
こちらは、磐越道新潟方面途中、福島県の磐梯町にある磐梯山パーキングエリアの様子です。
関東地方在住の身としては考え難い積雪量となっていました・・
そう、高田造園は11月、手入れ行脚前今年度最後の造園工事で、福島県塩川町(会津や喜多方の近くですね)のお宅に訪ねていたのです。
材料を段取る都合で週に一度は千葉に帰るため、11月の後半は、現地の方に電話で積雪量を確認したり天気との闘いになりました。
とはいえ磐梯山のあたりは塩川町に比べ標高が高く現地の人も別世界というほどで、現場の積雪は数センチでしたが・・
さて、11月に入るころはこのような様子でしたが・・
一期工事終了後です。ほぼ同じ角度より。住宅を包み込む、新たな雑木のお庭が誕生しました。
生活同線の合間を縫うように設けられた木立は、施工当初からすでに家屋と馴染むような雰囲気を感じさせます。
主庭全体。既存の松も雑木になじむよう手入れをして、庭に溶け込ませます。
細かい仕上げは来年の春、二期工事で行い、本格的な完成を迎えます。
寒さを気遣っていただき温かいお茶やお茶菓子を出していただいたお施主様、年末の忙しい中ご協力いただいた方々、ありがとうございました。
そして、暮れは手入れ行脚に回ります。写真は施工後十年近くの時間が経過した千葉のお宅の手入れ後の様子です。
やわらかい苔の乗った地表と木々の幹の逞しさ、秋に色づく葉っぱと差し込む日の光がお庭に静謐な空気をもたらしているようです。
手入れのこの時期は、一年に一度か二度しかない、作庭させていただいたお宅に訪ねられる、貴重な時期です。
お施主様のお話や成長した木々の様子を伺えるこの瞬間々々をたいせつにして、残り一か月の今年を過ごしたいと思います。
残り少ない今年の最後に寒さで体調を崩さぬよう、皆様も心身ともに暖かくして毎日をお過ごしください・・
それでは皆さん、よいお年を!
投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | 記事URL
2017年9月10日 日曜日
重陽の節句
朝夕の涼しさが明確に肌で感じられるようになってきたこの季節、皆様いかがお過ごしでしょうか。
ご無沙汰しております、社員の石井です。
さて、タイトルにさせていただきました重陽の節句、これは私がブログを書いている九月九日のことですね。
奇数である「陽」の数字の最大数が「重」なるため、このように呼ばれるようになったそう。
旧暦では一か月ほど先の時期にあるため、「菊の節句」、あるいは「栗の節句」とも。
菊を飾って鑑賞し、菊の花をお酒に浮かべ、魔を祓って長寿を願ったそうです。
五つある節句の一つである七夕などと比較してなんとなくなじみが薄いような気がするのは、新暦の九月九日が菊の開花期とずれてしまっているからでしょうか。
また、二十四節気では、この時期は「白露」。七十二候では「草露白し」というように、朝露が目立ち、朝夕の涼しさが際立つ時期ですね。
前述した旧暦はご存知「月の満ち欠け」をもとにして作られたものであることに対し、12か月の倍つまり15日ほどで切り替わる「二十四節気」とさらに三分割、つまり五日ごとの「七十二候」は、現在の暦と同じ太陽歴をもとにして作られていますから、昔から農耕などの目安に使われていたようです。数字で数えるだけではなく、季節の特徴を熟語や文章で、さらに事細かに感じることで、より季節と親密に生きていたのでしょうね。
そんな日本人の細やかな感性があらわされた七十二候、「草露白し」の一つ前の候は「禾物登る(こくものみのる)」。
まさに実った穀物が穂を垂らすその風景に包まれて、また一つ住まいのお庭が竣工しました。
鋸南町の田園風景を見下ろす立地に建てられたこのお住まいには、三世帯のご家族が和やかに暮らしていらっしゃいます。
南側のお庭。存在感のある既存樹木と連なっていくように考慮して、こちらにも木立を点在させます。
古材を用いて施工した物置小屋も景色に溶け込みます。
この小屋の屋根も、トタン屋根の縁に枝を挟み、もみ殻燻炭や炭を入れて軽量化した土壌を重ねチップで保護することで、将来的に土壌にあった草本が生育できるようにしています。
田園へ傾斜するのり面にも、地形に配慮した道を作ることで庭の一部とし、空間に連続性を持たせます。
近所のお子さんたちのいい遊び場にもなっているようです。
お施主さんにもいい意味で驚いていただけました。
田園沿いの舗装道路は車の通りも少ないので遊び場にもなりますし、また住まいの二階などからも目が通せるとあって、子供たちを安心して遊ばせることができるといっていただきました。
お子さんのお友達(まだ二歳で!)もここを精一杯の力で登って遊んでくれているようです。
このお宅は土手の縁に平地を作るように造成されていたため、植栽時には転圧された土壌にハンマドリルで縦穴を開け、土壌をほぐし、改良剤をすきこんでの植栽となりました。
そして、枝葉を用いてしがらみを作り、周囲の地面より一段高い木立を作ることで側面からの通気性、浸透性も寄与します。
植栽、マルチング後の表情。やがては通気性を十分に担保した落ち着いた土手に変化していくことでしょう。
玄関側の駐車場は、瓦チップ、ウッドチップを交互に敷きならすようにして通気、浸透性に配慮し、家側の主要な部分に木立を。
最初にアポイントメントをいただいてからはなんと四年弱の月日が経ってしまったようです...。
これほどお待ちいただきながらも最後には大変喜んでいただき、私たちも三世帯のご家族に喜んでいただけるお庭を携わることができて、とってもうれしかったです。庭師(見習い)冥利に尽きます。
これから、この住まいとお庭に囲まれたご家族がのびのび朗らかな暮らしを送られることを心より願いたく思います。
また、これからお庭のお手入れを通してその一端をサポートさせていただければ嬉しい限りです。
本当に、ありがとうございました。
これからの工事を、年単位でお待ちいただいているお客様、大変お待たせしております、もうしばしお待ちください。
現代に生きるお施主様方に求められる健やかな住環境とは何か、それを会社一同追求し続け、設計段階のプランを凌駕する住環境とライフスタイルをお客様に届けられるよう、日々精進していきたいと思う次第です。
白露、とはいえまだ残暑の激しい日もあります。涼しくなってきたことは喜ばしいですが、寒暖差の激しい季節は体調も変化しやすいということでもあります。
皆様も移り変わる季節に耳を傾けて心身への配慮をご考慮ください。
ありがとうございました。
ご無沙汰しております、社員の石井です。
さて、タイトルにさせていただきました重陽の節句、これは私がブログを書いている九月九日のことですね。
奇数である「陽」の数字の最大数が「重」なるため、このように呼ばれるようになったそう。
旧暦では一か月ほど先の時期にあるため、「菊の節句」、あるいは「栗の節句」とも。
菊を飾って鑑賞し、菊の花をお酒に浮かべ、魔を祓って長寿を願ったそうです。
五つある節句の一つである七夕などと比較してなんとなくなじみが薄いような気がするのは、新暦の九月九日が菊の開花期とずれてしまっているからでしょうか。
また、二十四節気では、この時期は「白露」。七十二候では「草露白し」というように、朝露が目立ち、朝夕の涼しさが際立つ時期ですね。
前述した旧暦はご存知「月の満ち欠け」をもとにして作られたものであることに対し、12か月の倍つまり15日ほどで切り替わる「二十四節気」とさらに三分割、つまり五日ごとの「七十二候」は、現在の暦と同じ太陽歴をもとにして作られていますから、昔から農耕などの目安に使われていたようです。数字で数えるだけではなく、季節の特徴を熟語や文章で、さらに事細かに感じることで、より季節と親密に生きていたのでしょうね。
そんな日本人の細やかな感性があらわされた七十二候、「草露白し」の一つ前の候は「禾物登る(こくものみのる)」。
まさに実った穀物が穂を垂らすその風景に包まれて、また一つ住まいのお庭が竣工しました。
鋸南町の田園風景を見下ろす立地に建てられたこのお住まいには、三世帯のご家族が和やかに暮らしていらっしゃいます。
南側のお庭。存在感のある既存樹木と連なっていくように考慮して、こちらにも木立を点在させます。
古材を用いて施工した物置小屋も景色に溶け込みます。
この小屋の屋根も、トタン屋根の縁に枝を挟み、もみ殻燻炭や炭を入れて軽量化した土壌を重ねチップで保護することで、将来的に土壌にあった草本が生育できるようにしています。
田園へ傾斜するのり面にも、地形に配慮した道を作ることで庭の一部とし、空間に連続性を持たせます。
近所のお子さんたちのいい遊び場にもなっているようです。
お施主さんにもいい意味で驚いていただけました。
田園沿いの舗装道路は車の通りも少ないので遊び場にもなりますし、また住まいの二階などからも目が通せるとあって、子供たちを安心して遊ばせることができるといっていただきました。
お子さんのお友達(まだ二歳で!)もここを精一杯の力で登って遊んでくれているようです。
このお宅は土手の縁に平地を作るように造成されていたため、植栽時には転圧された土壌にハンマドリルで縦穴を開け、土壌をほぐし、改良剤をすきこんでの植栽となりました。
そして、枝葉を用いてしがらみを作り、周囲の地面より一段高い木立を作ることで側面からの通気性、浸透性も寄与します。
植栽、マルチング後の表情。やがては通気性を十分に担保した落ち着いた土手に変化していくことでしょう。
玄関側の駐車場は、瓦チップ、ウッドチップを交互に敷きならすようにして通気、浸透性に配慮し、家側の主要な部分に木立を。
最初にアポイントメントをいただいてからはなんと四年弱の月日が経ってしまったようです...。
これほどお待ちいただきながらも最後には大変喜んでいただき、私たちも三世帯のご家族に喜んでいただけるお庭を携わることができて、とってもうれしかったです。庭師(見習い)冥利に尽きます。
これから、この住まいとお庭に囲まれたご家族がのびのび朗らかな暮らしを送られることを心より願いたく思います。
また、これからお庭のお手入れを通してその一端をサポートさせていただければ嬉しい限りです。
本当に、ありがとうございました。
これからの工事を、年単位でお待ちいただいているお客様、大変お待たせしております、もうしばしお待ちください。
現代に生きるお施主様方に求められる健やかな住環境とは何か、それを会社一同追求し続け、設計段階のプランを凌駕する住環境とライフスタイルをお客様に届けられるよう、日々精進していきたいと思う次第です。
白露、とはいえまだ残暑の激しい日もあります。涼しくなってきたことは喜ばしいですが、寒暖差の激しい季節は体調も変化しやすいということでもあります。
皆様も移り変わる季節に耳を傾けて心身への配慮をご考慮ください。
ありがとうございました。
投稿者 株式会社高田造園設計事務所 | 記事URL