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2019年4月30日 火曜日

気淑く風和ぐ晴天に

スタッフブログをご覧いただいている皆様、ご無沙汰しております。高田造園の石井です!

毎日の日差しを浴びて、植物たちが芽を吹かせ、緑を広げるこの時期・・
ぷっくりと膨らんだ冬芽が、待ち侘びた毎日の陽気に著しく成長してのびのびと花や葉を広げていくさまはもはや神々しく、植物に携わる職業の私達にとっては、植物たちから最も元気をもらえる時期といってもよいでしょう!自然と気持ちも高揚します!
そうです、今回は、もっとも生命力に身を輝かせるこの時期の草木たちについて、お話ししたいと思います!



身近な木々たちを改めて眺めたいと思い、休日にカメラを持って事務所へ。誰もいない昼の事務所はなかなかに新鮮です。
ほぼ毎日来てはいるものの、こうしてゆっくりじっくり、近くから遠くから植物たちを観察すると、仕事に追われ心身が忙しない時には気づくことのできない植物の姿を見、想いを馳せることができます。



事務所のお庭へ。庭門を一歩くぐるといきなり雑木林に足を踏み入れたかのよう。
ゆらゆら揺れる木漏れ日に照らされた草木たちが美しいです。



いつもお庭を見守ってくれているお地蔵さんも、心なしかいつもよりほくほくとした表情をしているような。



野点もできるようにと配された四阿。少し背伸びして屋根をみると・・



こんなところにきれいな苔が!この苔にとっては落ち葉降り積もる林床より多孔質の屋根材の上のほうが居心地がよかったのかもしれませんね。



クヌギの花柄や小枝の下から、苔も可愛い新芽を懸命に伸ばしています。



用事もないのに事務所に入って、窓から蹲踞を見ます。一番の特等席ですね。
手入れをほとんどしないためどんどん逞しくなった貫禄のあるクヌギの幹と、縫うように光を求めてさらりと横に流れるモミジの枝ぶりが相まって絶妙の景色。



お庭を出て、駐車場を挟んで向かい、僕が高田造園に来てから二年間住んでいた囲炉裏小屋・・(今は囲炉裏はありませんが・・)
すっかり新緑に抱かれて、吹き抜ける風が心地いいです。



囲炉裏小屋横に置かれたポット苗の、コナラの新芽。私たちが庭づくりで一番使う樹木です。
事務所に根付いている大きな成木のコナラはもう新芽を固まらせつつありますが、ポットに植えたばかりの苗はまだ芽を膨らませるのに必死。
私は、この新芽の出たばかりの時期のコナラの姿が一番愛おしいと感じます!



小さな新芽に広がる銀色のトライコーム(毛)が樹木全体にちりばめられる様相は、神秘的ですらあります。
コナラはほかの落葉樹に比較して若干芽吹きの時期が遅いです。
このふわふわの毛布のような毛に包まれているところから思うに、少し寒がり屋さんなのかもしれませんね。



倉庫横のこの木々たちは、私が入社した四年前は2mから2.5mほどの背丈でした。
サクラ、クヌギ、マテバシイ、シイノキが競い合い守りあい、もう倍以上に伸びている樹木も・・



この時期はコナラ以外でも新芽の観察が面白く、接写ばかりになってしまいますが・・
これは、今にも開きそうなマテバシイの新芽ですね。
若干赤みがかかった逞しいさまは、あれ、どこかで見た食べ物のような・・



こちらもよくお庭造りで使います、マテバシイと同じどんぐりの常緑樹、カシの新芽。
ちっちゃい葉っぱが赤ちゃんのようでほんとにかわいらしいです。
マテバシイやカシ、ベニカナメモチなど、特に常緑樹の新芽は赤いものが多いと感じます。これは、組織が軟弱な新芽を紫外線から守るため、それを吸収するカロチノイドやアントシアンなど赤や黄色、橙を発色する成分が新葉に多く含まれるからなんだそう。
コナラの新芽といい、その場で生きようと生態を適用させてゆく植物たちの進化の過程には、舌を巻きます。



冬芽から新芽が芽吹き、陽気とともに新緑を茂らせるこの時期は、さまざまな植物から生命力を感じられるポジティブな季節です。
田植えやお茶摘みの時期でもあり、農の始まる時期でもありますね。

平成最後の快晴の日に、いつもそばで見守ってくれている樹木たちとゆったり対話する時間を設けられたことは、とてもいいリフレッシュになりました。
皆様がこの投稿をご覧になっているころは、新年号である令和の時代が始まっていることと思います。

植物のみならず、鳥たちや虫たち、春に躍動する生命の息吹を感じながら、一つの節目に気持ちを新たに、また、日々を過ごしていきたいと思います。
それでも日によって寒暖差の激しいこの時期、皆様も令和の最初の連休中に体調を崩さぬようお気を付けください。
それでは。

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2019年3月31日 日曜日

土気山での休日時間。

東京では観測地点で桜が早くも満開となり、
近くでは鶯も鳴き始め、春の気配が感じられ出した今日この頃。
皆様はどうお過ごしでしょうか。



先日土気山ダーチャフィールドでは、皆様をお招きして
恒例行事となりました味噌仕込みを行いました。

今年は例年にも増して大豆20キロ分の味噌を仕込み、
すべてを杉樽にて仕込みを行いました。

昨年の仕込みは岩富ダーチャにて、
木桶とプラ樽の2通りで行いましたが、
やはり天然素材である木の通気や、
長年住み着いている菌の作用による違いなのでしょうか、
プラ樽で仕込んだ方は若干の酸っぱさを感じ、
同時期同じ場所で保管していたにも関わらず、
杉樽の方は酸っぱさなどはなく、
出汁なしでも味噌汁が美味しくいただける
お味噌に仕上がっていました。

そこで今回はプラ樽は使用せずすべてを杉樽で行いました。

イベントには多くの方にお集まりいただき、
久しぶりに行われた土気山のイベントも
暖かく和気あいあいとした雰囲気に包まれました。



今回はいつもにも増して多くの大豆を煮込んだり、
お昼のお米を炊き込んだり、
さらには料理の支度にも火が必要なため、
あらゆる場所で竈がフル稼働という状態で
進められていきました。

スタッフとしてご参加いただいた女性の方々にも
ご尽力いただき手際よく準備が進みました。


そして、今回はもう一つ、
長年愛されてきた茅葺きのバイオトイレが
建て替えられるという運びとなり、
使いやすさの面を考慮して
パブリックスペースから少し離れた奥へ
移設されることとなりました。



新設される場所は以前親方が小屋を立てようと
斜面際に石積みを行った場所であり、
石積みにより段差が維持され
高低差が生じた状態で長年維持され、
段丘状になっていることから、
そこの土地の土中環境としては水や空気が動いていて
素掘り穴のトイレの場所としても以前の場所よりも
微生物が活発に働きやすい場所と言えます。




茅が皆様の手によってはらりと剥ぎ取られ、
トイレは骨格だけとなりました。



私はこのトイレが出来た当初はまだおりませんでしたので
改めて見ますとこんな感じになっていたのかと
剪定した枝も使い方次第で活きてくるものだと実感させられます。

このあと解体された茅は畑をマルチングする材料として、
太枝は分解して施工時でもよく行われる枝葉のしがら組へと
使われていきます。

その場で役目を終えても自然材料であれば
造園の仕事においてはいくらでも使い回すことができ、
最後には土に、地球に還っていく。

地球上で私たちが生活の中で使っていくものは
できる限りこのように使い回し利用、循環させていくのが理想で、
先人たちが今までやってこられたことです。

科学技術の発展で便利なものは今の時代に溢れていますが、
プラスチックが世界各国で溢れて汚染されている状況で、
私たちがもう一度見直すべきはこのような自然素材、
地球に還っていくことのできる材料をいかに現代人の生活に
再び浸透させていくかだと感じます。

そして解体されたあとの骨組みのあとには、
素掘りの穴が出てきます。

踏み板を外し、皆様で中を汲み取りましたが、
全然嫌な臭いがありませんでした。

改めて微生物や炭の力の凄さに感心させられます。



また素掘りの穴の側面には菌糸が付着し白くなっている様子が
見受けられます。

施工時は直角にまっすぐ切り落とされているはずの穴が
今回くみ取りを行った時は下側がえぐれて丸くなっていました。

溜まった炭や有機物により、微生物が作用し
土の側面にも菌糸が張り巡らされ、土が柔らかくなり、
下部がえぐれていったのかもしれません。

そして今回は小さな虫が少なくあまり出てきませんでしたが、
実は一年半前にも仕事の中でこの場所の汲み取りを行っており、

その時も嫌な臭いは全然しなかったのですが、
さらにその時は汲み出した炭の中は、
ダンゴムシや見た目、直感で良さそうな小さな虫の住処となっていて
そこには新たなコロニーが誕生している、
そのような状態でした。

その時はひとりで汲み取りを行っていましたが、
トイレの汲み取りを行いながら一人それをまじまじと眺めながら
感動にも似た感情でその小さな虫たちの生活を見守るという、
傍から見ると少し危ない人(笑)だったと思います。

しかし、それぐらい興味深く惹きつけられる虫たちの住処として
成り立っていたのでした。

それから一年半が経ち、人間と同じく、
その場所の環境も何らかの変化が有り、
前にいた虫たちも引っ越していったのかもしれません。

このような今までには出会うことのなかった些細な自然の変化にも
少しずつですが目が向くようになり、
自分の意識も変化してきているように思います。



そして、作業は着々と進み、新たな場所で木材で骨組みができ、
その下には新たな素掘り穴が掘られ、その穴の中にはさらに
ダブルスコップで掘れる大きさの深さ5.60cmの縦穴を掘り、
竹炭を入れ、いつもながらの竹筒通気口を差し込んだ
枝つめを行いその穴の中でより分解が行われやすいよう
処置を施しました。

さらにその素掘り穴には炭を敷き均しました。

そして今後は用を足すごとに炭やウッドチップ、籾殻などを
撒いて蓄積してもらうことで
今回のように臭いの発生しないトイレとなっていきます。

今回はスタッフとしてなかなか忙しかったので、
トイレの施工の様子や、味噌仕込みの経過の様子を
写真に収めることができず
ご報告がここまでとなり申し訳ありません。



その代わりと言ってはなんですが、
私個人として先日土気のフィールドをお借りして
自分で同じく味噌を仕込んでみましたのでその様子を
少し載せてみたいと思います。

まずは炊事小屋の時計ストーブに羽釜をセットし、
前日から水に浸していた大豆を気長にコトコト4時間半ほど
煮込みました。

ガス火と違い、薪は火の調節が難しく
羽釜の真下に火元があるとすぐに温度が上がってしまい
何度も吹きこぼしました。

昔の人たちはこのような調理にも経験を通して
扱いを心得ておられたのでしょうか。

煮込み終わった大豆は潰す工程へと入っていきますが、
先日のイベントでは木臼と杵で潰しましたが、
今回は量もそれほど多くなかったのでビニール袋に入れて
手で潰していきました。



次に買ってきた生麹をボウルにあけ
塩を入れ混ぜ合わせました。



そこへ潰した大豆をいれ混ぜ合わせます。



途中で大豆の煮汁も混ぜ合わせ
耳たぶの柔らかさになるまで捏ねました。



終盤にもなると最初の色合いとも異なり、
すでに味噌感の漂う感じになってきました。

それを今度は団子状に丸め、樽へと投げつけます。



投げつけるのは隙間に空気が入らないようにするためです。



そして一段ごとに手で隙間を埋め樽に密着させます。



そして最後の団子を押して一体化させ、
上に塩をまぶし、ラップをかけ(和紙が手に入ればよかったのですが)
落し蓋をし、重し石を乗せ、以前仕込んだ皆さんの味噌と
一緒に置かせてもらいました。




そして仕込みが終わったあとはのんびりと
持参したコーヒーを薪で沸かしたお湯で淹れてみました。



普段の賑わいのある土気や
仕事の時の慌ただしく動くときの土気とは違い、
しんみりとした土気の炊事小屋でいただくコーヒーは
何とも言えない落ち着きのあるものでした。

ふと外を眺めると先日完成した新たなトイレが
これからの新たな風を感じさせてくれるのでした。







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2019年3月 3日 日曜日

初めてのご挨拶

 初めまして、スタッフの稲村と申します。
高田造園に入社して早1年以上経ちますが初めての投稿になります。
ご挨拶が遅くなってしまい大変申し訳ございませんでした。
これからは定期的に現場の雰囲気や高田造園の日々の活動などを、文章表現が苦手な僕ではありますが、お届けできるように頑張ってまいりますので、あたたかく見守って頂ければと思います。

 高田造園に入社してからもう少しで1年半になろうとしています。
入社してからのことを改めて振り返ってみると、本当にあっという間だったというのが正直な感想です。
造園工事は初めての経験でしが、それだけでなく環境改善など高田造園の仕事は多義にわたるため、全てが新鮮で、毎日が勉強でした。
例えば、植栽をしたからと言ってそれが終わりではないのです。その土地が少しでも良くなるように、植栽した木々たちがその土地に馴染み健康に育つようにといった様々な想いがあって、水脈を改善したり、植え方に拘ったりと様々なことに工夫がこなされているのです。
そのようなことを毎日考えていると、次第に自分の考え方などが変化していき、樹木1本1本から身の回りの環境に至るまでの自分の見方が変わっていったように思えます。
約、1年半を通して多くの事を勉強できたと思いますが、まだまだ全然足りません。これからも高田親方の下、技術、知見、感性を磨いていきます。



早速ですが、先日竣工致しました現場の紹介をしたいと思います。

ここは埼玉県内の某現場でした。
市の古地図を見てみると、その地域一帯は以前は田んぼとして活用されていた土地らしく、そこが今は宅地開発され住宅街となった場所で、工事の初期には穴を30~40センチ掘るとすでに水が大量にしみだしてくる状況でした。そこで、まずは縦穴などの水脈改善を行い、土中の水と空気の流れを良くし、土地が正常な呼吸ができるようにしました。すると、次第に同じ深さを掘っても水が出てこなかったりと、工期の間でも改善の効果が少しずつ出てきているのではないかと感じるようになりました。



工事途中の風景です


完成後の風景です

工事途中の写真と比べてみると玄関前だけでも圧倒的に樹木が増えてのが分かります。
樹木があるだけでこんなにも雰囲気が変わりますね。
これから新芽が出で来ると、もっと緑量が増すので楽しみです。

庭の中には露地(茶庭)があります。










茶庭を造るのは僕自身は初めての経験だったので新鮮でした。
アオキなどの常緑樹が茶庭の雰囲気を引き出してくれている気がします。

竣工した2月の中旬にはマンサクの花がたくさん出始めていました。

現場には数本のマンサクが植えられています。恥ずかしながら、高田造園に入るまではマンサクをあまり見る機会がなかったのですが、花が特徴的でとてもきれいな花です。
マンサクは漢字で満作と書き、「豊年満作」やまだ雪の残っている山中に一番に咲く花なので「まず咲く」が名前の由来だそうです。
ちなみに僕は結構気に入っています。
皆さんも見かける機会があったらぜひチェックしてみてください。


ついこの間年が明けたかと思っていたのですが、気づけば辺りは梅の花が咲き始め徐々に春の気配を感じるようになってきましたね。
造園を始めて四季の移ろいを心から感じれるようになり、楽しめるようになりました。
まだまだ未熟者ですが、これからも頑張ってまいりますのでよろしくお願いします。

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2018年10月24日 水曜日

冬に向けた薪準備と大工見習い。

高田造園スタッフブログをいつもご覧くださいます皆様、
ご無沙汰しておりますスタッフの松下です。

最近高田造園では親方のブログでも掲載されておりました通り、
工事も今まで掛からせていただいておりました現場もひと段落し、
早くも次の工事の準備に取り掛かっております。

工事や手入れの合間を縫って、雨など天候の優れない日には
事務所では冬支度もしております。

千葉では昼はまだ25度を超える日もありますが朝晩はひんやりとしており、
通勤にはジャンパー、朝早くの身支度にはヤッケは欠かせなくなりました。



こちらは千葉某所から大量に運んできた薪を事務所横の薪棚へと
運び込んでいる様子です。

軽トラを一台満載にし、軽トラをヒーヒー言わせながら運んで参りました。



この薪は佐倉市にあります岩富ダーチャいのちの杜で、
今年の春、私たちがこちらもまた仕事の合間で割った薪です。

直径3、40センチはあろう広葉樹の幹丸太をみなで斧で割りました。


事務所にありますストーブはダルマストーブで、



本来は薪ストーブではなく石炭ストーブなので、
燃焼力が高く薪が早くなくなってしまいますが、
部屋全体に幅広く熱が広がるので、
事務所の冬には欠かせない存在です。



事務所に積み込み終わった後は、
土気ダーチャフィールドにも運び込みます。

いつも薪を使って火を起こしていると、
薪棚が薪で埋まると何とも言えない安心感があります。

今年も薪ストーブが恋しくなる季節がもうそこまで来ています。


さて、こちらは春からスタッフの石井、松下の同僚コンビで
参加させていただいている大工塾の様子です。



仕事で木工をするので、それを大工仕事を通して身につけたいと志願し
毎月1回のペースで行かせていただいています。

第1回目には製材所へも連れて行ってもらい、
丸太を製材する様子も見せてもらいました。

普段何気なく柱材や板材を扱っていましたが、
実際に見せていただくとより身近に感じることができます。



これは曲尺(さしがね)と呼ばれる必須の大工道具で、
この丸太から最大で何寸角の角材が取れるのか教わっています。

曲尺の表と裏側を使うと計算なしで割り出せます。

今まで曲尺は矩(かね)を出して墨を打つ(線に対して直角に線を引く)
ためにしか用いたことありませんでしたが、
大工さんはこの曲尺を巧みに使いこなし、
素人では思いつかないような部分の寸法を容易く割り出します。



これは第2回で体験的に作らせてもらった木材と木材の継手です。

日本建築の伝統工法では角材と角材は、継手で組んで作られます。



最初に寸法通りに墨を打ち、その墨通りにノコとノミで削っていきます。

これは家の基礎の上に回る土台の角材と角材を継ぐ、
「鎌蟻継ぎ」と呼ばれる継手です。



見た目通り複雑なので、簡単に浮いて離れることはありません。



第3回では現場に行くと既に棟上げが終わっていました。

やはり最初から実際に見たかったので残念でした。

ですが、自分たちが加工した継手は大工さんたちの手によって、
きっちりと基礎の上に納まっていました。



さすがに現場では大工さんが主導で、私たちはその手元といった感じです。

小さい頃に自分の家が木造で建てられたときに、
正に基礎の上に柱組だけしてある現場に行ったことがありましたが、
その時はここまでまじまじと観察もしなかったので、
家が徐々にできていく様を見るというのは勉強になりますし、楽しいです。



これは柱と柱のあいだに貫(ぬき)と呼ばれる板をはめ込んでいる様子です。

伝統工法の日本家屋が地震に強く100年、200年と持つのは
柱と柱の上に渡された梁(はり)、桁(けた)、胴差しと呼ばれる骨格材と、
この貫で箱状に一体化させることで
全体で持たせる構造になっているからです。

建築基準法の改正で現在の住宅は筋交い(斜めに入れる補強のつっぱり)と、
固定金物を使用しないといけなくなっていますが、
昔の建築物には用いられていませんし、用いられていない住宅で
100年、200年と持っているものも今となっては少ないですが、あります。

昔の家というのは、石の上に柱が建っているので
地震で揺れても建物だけが滑るように揺れを吸収し、
また筋交いがないので、全体の木が連動して動き、
グラグラ揺れるけど、力を逃がせる構造になっているのです。

古くから「柔よく剛を制す」とはよく言ったもので、
言葉の使いどころは違えど、
日本人の精神が垣間見られる工法と言えます。

実際に補強で用いられる斜めの筋交いは
元々は西洋建築から来ていて、
明治以降に入ってきたものだそうです。

自然を力で押さえ込もうとする西洋と、
自然の力に畏敬の念を持ち、その中で生きようとする日本人の姿勢が
工法としても対照的です。



組みあがっていくと柱と柱が、梁と桁と貫で
つながっているのが分かります。

このあとは鉛直方向を「下げ振り」という道具で確かめ、
「屋直し」を行います。



屋直しとは、そのままでは垂直に建ってない柱組を、
引っ張り起こして、きっちりと垂直に建てる作業のことです。



これを外周4面すべてで確認し、調整しました。

そして、屋直しを終えると在来工法のため筋交いを設置し、
梁の上に「小屋束(こやづか)」を立て、中心に「棟木(むなぎ)」を渡し、
そこから下に「母屋(もや)」を取り付け、「垂木(たるき)」をその上に架けて、
屋根を付ける前の骨組みが完成しました。



普段植木屋ですので、高いところは慣れたつもりでいましたが、
木の上とはまた違った、掴まるところのない高所で、
スイスイと動かれる大工さんの手際の良い作業に
ただただ見とれながら作業の様子を観察していました。



普段建設真っ只中の現場には踏み入れたことがなかったので
今回の経験は建築をよりリアルに感じる上で良い体験となりました。

次回以降の作業は、また次に書き記します。


最近は昼間はまだ温かいですが、朝晩は急に冷えてきますので
皆様体調を崩さぬよう気をつけてお過ごしくださいませ。


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2018年7月22日 日曜日

シェアハウスでの環境改善を兼ねた住環境づくり



関東では梅雨が例年よりも半月早い6月末に開け、
容赦ない暑さと痛いほどの日差しが降り注ぎます。

このブログを書いておりました先週の金曜日から日曜日には、
全国的に大雨が降り続き、全国各地で甚大な被害となりました。

被害に遭われた方々には深くお見合い申し上げます。

私も以前、集中豪雨被害地域のボランティア経験がありますが、
床下浸水でも土砂の除去は大変で、私たちが普段工事で使っている角スコで
ひたすら泥をさらい一輪に乗せて運ぶという果てしない作業でした。

今回は2階の軒下まで浸水された地域もあり、
その被害からの復旧の手間、大変さを考えるとそのご苦労は
想像を絶します。

関西、中国地方へ行ける機会があれば、
少しでもお力になれたらと思います。

さて、最近は少し現場のことがご報告できておりませんでしたので、
今回は現場の様子を少しご報告させていただきます。



こちらは先日6月末に作業に入らせていただきました、
東京は町田市の隣、玉川学園にありますシェアハウスの様子です。

この玉川学園の現場は、昨年の秋に初めてワークショップという形で
皆様方に多数ご参加いただき着工致しまし た。

最初はこの写真からは到底想像もできない程、雑草やツル繁茂しており、
最初は私たちスタッフで草を刈ることからスタートしました。



シノダケやクズ、イネ科の草で覆われた庭の草は激しく、
私たちの背丈ほどまで成長し、目の前も見えないほど藪化していました。



もともと和風の庭があったであろうこの土地は
家の持ち主が不在になってからというもの、
庭の下にある擁壁によってその土地の水が逃げ場を失い詰まり、
土壌が荒れ、雑草が伸び放題となっていました。



こちらはスタッフが先駆けて行った草刈後に
親方がレクチャーしている写真です。

草はいきなり地際まで刈戻してしまうと
反発でまたそのあと強く伸びてくるということで、
今回は膝丈ほどまで刈払いました。



刈った草たちは点々と山にしておき、
後の改良資材として利用します

草刈後はなんとなく見えてきた道を頼りに、
スコップを使い溝切りや、縦穴を開けていき、
第2回の改善作業へと続く先駆けとしました。

第2回は今年に入り2月に行われ、またワークショップという形で
大勢の方にお集まりいただき皆様で作り上げてきました。



第1回の作業でなんとなく見えてきた道に通気浸透を考え、
スコップで地面を直角に切り落とし、枝しがら組みを行い、
土壌へと菌糸が絡みつき、健全に木々の根が張り巡らせるよう
処置を行いました。



また既存の庭で据えられていた飛び石を全部取り外し
新たに見えた動線上に石を据えかえました。



また建物際にあった犬走りのコンクリートは、
やはり水が土壌へと染み込んでいくのを阻害し詰まらせる原因となるため、
ハンマーで取り壊してそのコンクリガラも庭の中で組み替えて、



飛び石を据える時の下地であったり、
樹木を植える根鉢の下の土が、根鉢の重みで圧密されないように
炭やもみがら薫炭と混ぜた土の中にも転々といれ、
鉢の重みをガラが点で支える構造にしました。



また、これは2回目に植栽を同時に行った写真ですが、
既存で枯れていた大木はあえて残し、
その横に新たな雑木を植栽しました。

土壌の水脈の観点から見ると枯れ株は、
根が枯れ分解され土に還っていく過程で、
大木の根だった場所は空間となりそこが水道となっていきます。

それがやがて土壌中の水や空気の流れる起点となり
そこに新たな樹木の根が根付いていくのです。

また今回の現場は斜面に位置した庭であるため、
高低差のある庭の中を回遊できるよう随所に階段を設けました。



この階段もただ回遊するためのものではなく、
土の地面を段々に直角に切り落とすことで、
切った断面からは空気と水が抜け、その周りの土を呼吸させ
土中の空気と水を動かします。



これは参考写真ですが、
以前他の現場で施工した際に撮った横溝断面の写真です。
この写真は冬に撮ったものですが、
霜柱が横へと張り出している様子が確認できます。



この写真からも土を直角に切り下げると
水が抜ける様子が確認できます。

斜面のままであると雨は斜面を走り、斜面を削りますが、
段切りにすることで雨はその場で地面に染み込んでいきます。

土を段切りし、蹴上リと踏み面の角部分に軽く溝掘りし、
溝に炭をいれ、竹を設置し、その背面に枝を絡ませて
土との隙間を確保します。

竹の横木は炭化させた木杭で留めています。

土側面からの通気と、その場での雨水の浸透、
枝の分解と炭の敷き込み、炭化杭によって
土中に菌糸が誘導されやすいように配慮した作りです。



土中の改善と、人の使い勝手を兼ねた階段です。

今回も皆様のお力でなんとも暖かい階段になりました。

そして、来ていただいた男性陣の方々で庭の中で最も水の集まる角地に
深さ1mを超える大穴を手作業で掘っていただき、
この土地の改善の要なるよう造作しました。



穴には炭を入れ、枝を詰め絡めて処理します。

この大穴はこの場所のもっとも地中で水の集まる場所に施すことで
この土地全体の土中の水の流れを作り出す要になります。

そして、先日6月末に追加で作業に入らせていただき、
植栽の追加と、地形下部に縦穴を掘り通気浸透改善を行いました。



写真の右の先が大穴になり最終的にはそちらの方へ
地中の流れを誘導していきます。

6月に入り雨も降り、気温も上がったため
最初はやはりある程度草やクズがまた繁茂している状況でした。

ただ以前に比べて比較的楽に少ない手間で作業が終わり、
また風通しの良い庭へと落ち着いていきました。



クズも2月やその前の11月の時点でも根っこから取り除くことは
敢えてしていません。

むしろ階段部分に走っていたクズは土留めとして利用し、
階段の一部となっています。

草たちを毛嫌いせずに、適切に改善、管理していくことで共生し、
落ち着くのを待ち、次世代の穏やかな草花に変わるのを待ちます。

改善を施して時間がそれほど経っていませんので、
最初はまだ以前の草の様相が多少は戻りますが
今後は土壌の状態と木々が育つに連れて日陰も増え
草も穏やかになっていきそうです。






今後もこの空間が育って、より心地よくなり、
自然と人の集まる場へと変化していくのが楽しみです。



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