松下

2017年7月17日 月曜日

東京都内先日竣工のお庭

梅雨明け宣言もままならぬまま、関東では猛暑と呼べる日が続いております。

日中の日差しでさえもジリジリと焼けるような熱さを感じ、
半袖シャツで出かけると腕はもう真っ赤になるほどの日射です。

千葉で最初の夏を迎え、関西と変わらず日中は暑いと感じつつも、
夜は気温が下がり、風も涼しく、朝起きる時も爽快な涼気に包まれます。



ただ近年各地では雨の降り方も極端で、一昼夜で100ミリを超えたり、
朝は寒く、昼はものすごく暑いという今までの温帯の気候では
考えられないない気象状況に直面しています。

日本も徐々に亜熱帯化してきているとは聞いていましたが、
最近は身をもって実感せざるを得ない状況に感じます。

そんな変化の激しい気候の中、高田造園設計事務所でも
お客様のお宅へ手入れに工事に、順次お巡りしております。


こちらは先日竣工いたしました東京都江戸川区にあるK様邸の
住空間の様子です。



先日竣工したとは思えないほどの木々の木立がやさしく
その空間を包み込みます。

木々の間から差し込んでくる初夏の光も、眩しさを木々が受け止め、
緩やかに土へと運びます。



園路両側には植栽マウンドを配し、雑木林の中の小道を歩いているような
気分にさせてくれます。


庭奥にありますウッドデッキも木々に囲まれ、涼しげです。



こちらは着工日にとった一枚です。




この空間に木々が入れば、あっという間に緑あふれる瑞々しい空間へと
様変わりしていきます。




植栽マウンドにはマウンドごとに廻り縁に横溝を設け、
その地形の谷となる場所には縦穴を掘り、
地中の水の集まる場所を作ることで、
マウンド地下部の水の動きを作り出し、木だけでなく土も含めた全体が
健全に成長できるようにしていきます。




また、竣工時にもかかわらず、高木類にも一切支柱は施さず、
樹木の鉢を寄せあわせて植えることで、通気通水環境の整った条件下の樹木は
ある程度の時間でお互いの鉢の中に根を進出させ絡ませていきますので、
木々どうしがお互いを支えていってくれます。




庭の園路の途中に設けられた立水栓も
なんとも木々の谷間の渓谷のように
涼しげで良い感じです。



こちらも一般的な排水口への排水施工は行わず、
深い穴を掘り、使用した水が地面へと還元される蛇口です。


 

前庭の様子です。

玄関ポーチに至るまでの園路は深岩石を使用し、
落ち着きのある導きとなっています。

その後方にある木材で囲った植栽枡の周りにも縦穴通気通水改善を行っており、
将来は木々の根が土で極めた深岩石のアプローチの下側にまわり込み、
石は根に支えられる構造です。

セメントやモルタルなどの化学素材は
必要なところ以外は極力使用しません。

親方の話を伺っていると元々の日本の土木造作は、
木々や自然と一体化して長年支えられてきており、
昔の日本人はそのことをよく理解し、むやみに力で押さえ込まず
うまく自然の力を受け流しながら利用してきているのだなと
私も最近そのことに興味を抱き始めてきました。

もっと古人の知恵を学び、今の造園として生かさなければ
昨今の過酷な自然状況には対応できないと感じつつあります。


道路を車で走っていましても、無理に山を削り、
無理やりコンクリート擁壁で抑えられている山をよく見かけます。

高田造園でお世話になりだして、そういう物に対してより関心が向くと、
目撃するたびに何とも言えない気分になってしまいます。

豪雨のニュースで道路が、山諸共に崩れている映像を見るたびに
山は、自然は、今のやり方に警鐘をならしているように見えます。

ただ私たちも、高速道路の利便性などその恩恵に授かっていることは事実で、
この問題の答えは、今はまだ自分では分かりません。

ただひとつ言えることは、今の開発造成は土地や山があれば伐り開き、
人の思うがままにし、古人たちのように自然に畏敬を持ち、
人間も自然の中で生かされているという視点が欠落しているように思います。

先日土気のダーチャフィールドで行われましたイベントに参加されている
無邪気に走り回る子供たちを見ていていても、
肌で風を感じ、素足で土や草の感触を知り、鼻で季節の匂いを感じる。

そういう自然の中での感覚が大人になってからも
心地よさ、気持ちよさの感覚を養ってくれるように思います。

このような自分自身の人と自然への洞察を深めつつ、
人へも自然へも寛大な自分へと成長していけるよう
明日からも精進していきたいと思います。



投稿者 株式会社高田造園設計事務所

カレンダー

2017年7月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31